人間の精神と、その営みの本質に迫る。
哲学・文化学コースは、哲学、倫理学、宗教学、インド哲学、仏教学、芸術学、博物館学といった専門分野から、思想と文化の根源に迫ります。
古代から現代までの人類の思索の跡をたどりながら、「知ること」「存在すること」を根源から問い直すとともに、人類の普遍的なテーマである「人間はいかに生きるべきか」を考究していきます。
さらに人間の精神的な営みによって創造された具体的な結果としての文化現象を探究します。
コースの授業例
古典から現代までの文献を講読して思想と文化についてとことん考え抜く一週間。
担当研究室
哲学倫理学研究室
長い歴史をもつ哲学・倫理学の知を学ぶと共に、現代世界に差し迫った思想的諸問題について考えていきます。
研究室・教員
- 佐野 勝彦 教授 SANO Katsuhiko
研究分野: 論理学(特に非古典論理、哲学的論理学) - 田口 茂 教授 TAGUCHI Shigeru
研究分野: 西洋近現代哲学(特に現象学)、意識の学際的研究、日本哲学 - 村松 正隆 教授 MURAMATSU Masataka
研究分野: 近現代フランス哲学、近現代倫理学 - 奥野 満里子 准教授 OKUNO Mariko
研究分野: 現代英米倫理学、道徳哲学、応用倫理学 - 宮園 健吾 准教授 MIYAZONO Kengo
研究分野: 心の哲学、心理学の哲学、精神医学の哲学、美学、認識論、近世哲学 - 野村 恭史 助教 NOMURA Yasushi
研究分野: 現代分析哲学(特にウィトゲンシュタインの哲学)
卒業論文テーマ例
- 自己知と徳認識論
- 認識的不正義に抵抗する-対症療法の価値再考とトラウマ研究の応用
- デフレ主義と公理的真理理論
- PROLOGに見る帰納と演繹の接点
- ピクトグラムの特殊性は現象学的観点からいかに説明できるか
- ロラン・バルトと〈テクスト〉--諍いなきユートピアとしての言語空間
- 『エチカ』における個物の本質と実在 —運動と静止の観点からの考察―
- ハイデガー『存在と時間』の現存在分析における中動性への眼差し
研究室ウェブサイト
宗教学インド哲学研究室
宗教学・宗教史学、死生学、仏教学、インド哲学などに関連する事柄について深く学ぶことができます。
研究室・教員
- 林寺 正俊 教授 HAYASHIDERA Shoshun
研究分野: 仏教学、仏教思想史 - 宮嶋 俊一 教授 MIYAJIMA Shunichi
研究分野: 宗教学、死生学 - 眞鍋 智裕 准教授 MANABE Tomohiro
研究分野: インド哲学、インド哲学史
卒業論文テーマ例
- 現代日本仏教における僧侶配偶者女性の役割の改善について
- 日本の医療現場における遺族ケアの実践とその課題
- 初期仏教における十善と十不善の研究
- インド聖典解釈学における言語観
- 国家が殉職者を祀ることのなにが問題か— 国家神道論の視点を含めて—
- 後期不二一元論学派における個人存在の成立と他者存在の問題――プラカーシャーナンダにおける一我説を中心に――
芸術学研究室
ひとつの芸術作品に織り込まれている思想、歴史、他者との関係、個人の心情など多様な要素を読解することが芸術学の課題です。
研究室・教員
- 浅沼 敬子 教授 ASANUMA Keiko
研究分野: 現代美術史 - 谷古宇 尚 教授 YAKOU Hisashi
研究分野: 西洋美術史(イタリア美術史) - 今村 信隆 准教授 IMAMURA Nobutaka
研究分野: 美学、美術批評史、博物館学
卒業論文テーマ例
- 日常における音楽聴取体験-音楽療法を通して
- ストリートアートの社会的意味 ーキース・ヘリングの事例を中心にー
- 戦前期美人画ポスターの展開
- 生月島かくれキリシタンの歌オラショにおける原聖歌との類似性
- 『音楽雑誌』より音楽に対する明治の人々の考えを読み解く
- ヴィネットイラストへの眼差し
博物館学研究室
ミュージアム(博物館・美術館・動植物園など)の歴史とあるべき姿を、コレクションとマネジメントの調査から探究していきます。
研究室・教員
- 小山 亮 准教授 KOYAMA Ryo
研究分野: 日本近現代史、博物館学 - 久井 貴世 准教授 HISAI Atsuyo
研究分野: 動物に関する歴史と文化、歴史鳥類学、博物館学 - 卓 彦伶 講師 CHO Yenling
研究分野: 博物館学
卒業論文テーマ例
- 幼児の博物館利用における団体利用と個人利用間の学びの差異について-北海道博物館「世界の昆虫」展の事例から-
- 江戸時代の北海道におけるワシの分布および人との関わり
- アイヌ展示における社会的ニーズと展示内容の関連性 ー北海道博物館を対象としたニーズ評価の試行からー
- 日本におけるトラの本剥製の保存と活用
研究室ウェブサイト
教員から
「変革」を求める前に―基礎固めとしての思想・文化探究
宗教学インド哲学研究室 眞鍋 智裕 准教授
現代は新しいもの、変革が必要とされ、もてはやされている時代です。それは思想・宗教・芸術分野においても例外ではありません。しかし、古来「温故知新」という言葉があるように、新しい思想的・文化的価値を生み出すには、同時代人を含めた先達たちの思想的・文化的営為を探求する必要があることでしょう。ところが変革を是とする現代社会においては、この探究に対する十分な時間が確保できません。そのようななか、大学時代はこの思想的・文化的営為の探究にじっくりとうちこめる唯一の時期です。皆さんも「変革」を求める前に、じっくりと基礎固めに取り組んでみませんか。