村松 正隆

プロフィール

村松 正隆 准教授 / MURAMATSU Masataka
研究内容

個人の自由と共同体の秩序の緊張という永遠の課題を遥かに見据えつつ、フランス革命の時代から現代に至るフランスを中心とした西欧哲学の変遷を、同時代の自然科学や社会制度・教育制度との関係の中で研究している。

研究分野
近現代フランス哲学、近現代倫理学
キーワード
フランス・スピリチュアリスム、メーヌ・ド・ビラン、実証主義、エピステモロジー
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/哲学宗教学分野/哲学倫理学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/哲学宗教学講座/哲学倫理学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/哲学・文化学コース/哲学倫理学研究室
連絡先

Email: m-murama*let.hokudai.ac.jp
(*を@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
哲学倫理学研究室村松 正隆 准教授

〈私〉という存在者を知り
幸福の形を増やす手がかりに

数あるフランス哲学の魅力の中に、人間の感情のあり方を大切にするところがあります。なかでもメーヌ・ド・ビランは、〈私〉を軸に身体や感情とはどういうものなのかを丁寧に記述しようとした哲学者です。このビラン研究に魅せられた私が哲学を通じて皆さんに知ってほしい学びは、「幸福の形を増やす」ということ。〈私〉を〈私〉として特徴づける要素に理性や意志、そして感情があります。では、自分がどういう時にどんな感情を抱くのか、〈私〉がいかなる存在者なのかを意識的に自覚し、そこに派生する周囲との関係を整理して生活を考えていく。この一連の思考が幸福の形を増やす手がかりであると考えています。

母子の声かけに代表される「声」が取り結ぶ人と人との間柄にも、今後の研究テーマとして関心を寄せている。
ソルボンヌ大学と、その前の広場に立つオーギュスト・コント像(学生撮影)

文章スキルも磨く論文指導
「書き出す」一歩を後押し

修士課程における論文指導は、論証の構造はもとより先行研究の引用方法や接続詞、句読点に至るまで細やかに見ることをモットーとしています。修士論文の推敲と同時に人前に出しても恥ずかしくない文章能力に磨きをかけていく。社会人としても大いに発揮できるスキルの習得を念頭に置きながら接しています。他方、博士課程の院生にはテーマの選び方からより専門的な目線での懇切指導を心がけています。大作を書こうと思い入れが強いあまりに筆が進まないときは、「まず書き出してみよう」と背中を押したい。研究者共同体の一員になるまでの道のりをしっかりと見守ります。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

200年ほど前の、それもフランスの人びとの本を読んでいて一体なんの役に立つのですか、とたまに聞かれます。自分にとってはとても楽しい、昔の人の書物を読むという営みも、まあ確かに変わったものに見えることもあるだろうな、と思いながら、「人間の変わらない部分を見つめたいから」、そして「人としてある喜びの可能性を増やしたいから」と答えることにしています。

哲学や倫理学、さらには歴史学や小説など、広い意味で「文学部」が研究の対象とする書物に触れることは、一方で人間の変わらない姿を見つめることにつながり、他方で過去の人びとの生の喜びのあり方を学ぶことで、現在の自分のあり方をほんの少しでも変えることにつながると、ひそかに確信しています。

そしてこの二つの事柄に思いを向けることは、歴史の中で他者と共にあることを必然とする人間にとって、最も大きな喜びを与えてくれることと強く信じています。「古典」という養分によって自らを養いつつ現在の諸課題について思考するという人が持ちうる喜びを、文学研究科、そして哲学倫理学研究室は必ずや与えてくれるでしょう。

研究活動

略歴

1972年東京生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。跡見学園女子大学准教授を経て現職。

主要業績

  1. 『現われとその秩序 -メーヌ・ド・ビラン研究』村松正隆著(東信堂)
  2. 「メーヌ・ド・ビラン」「観念学とその周辺」(『哲学の歴史 6 知識・経験・啓蒙』(中央公論新社)所収)
  3. 「偶然の確率を計算する -クールノーの偶然論」(『エピステモロジーの現在』(慶應義塾大学出版会)所収)
  4. “La logique d’objection contre la mort cérébrale au Japon –Objection nationaliste ou objection universelle?” (『跡見学園女子大学マネジメント学部紀要』第5号)
  5. 「生命特性と哲学 - ビシャの生命論とその影響」、日仏哲学会『フランス哲学思想研究』第10号
  6. 『十九世紀フランス哲学』フェリックス・ラヴェッソン (著)
    杉山 直樹 /村松 正隆 (訳)(知泉書館)2017年

所属学会

  • 日本哲学会
  • 哲学会
  • 日仏哲学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 西洋哲学史概説

授業担当(文学院)

  • 倫理学特別演習

授業担当(全学教育)

  • フランス語演習

おすすめの本

  • 『バルトーク 晩年の悲劇』 アガサ・ファセット みすず書房