言語を科学的に捉える視点から、一般言語学と個別言語学について、記述的、理論的、実証的、応用的な研究を行います。英語、フランス語・ロマンス語、ロシア語・スラブ語等のヨーロッパ系言語学、韓国朝鮮語やアイヌ語を中心とするアジア系言語学、国語学、日本語学などの個別言語学のほか、言語学の多様なアプローチでことばを研究しています。歴史言語学や社会言語学、音声・音韻・形態・統語・意味・語用の全般に関して言語現象を広く多層的に学びます。
言語科学研究室
言語科学研究室では、言語の構造と運用に関して一般言語学と個別言語記述の立場から理論的、実証的、応用的な研究を行います。日本語(国語学・日本語学)、英語、フランス語・ロマンス語、ロシア語・スラブ語、韓国朝鮮語、アイヌ語を中心に、関連領域を含む多様な言語研究を高度に展開するための指導体制を整えています。
研究室からのメッセージ
地球上には約6千の言語があるとも言われ、そのすべての話者集団が長い営みの中で、かけがいのない固有の言語文化を育んできました。言語研究の歴史は何千年も前にさかのぼりますが、19世紀を淵源とする近代言語学以来、実に多様な方法論が提案され、実践されています。現代の言語学は、個人単位で鳥瞰できないほど広大な領域に及んでいる一方で、どんな微細な現象の分析であっても、一般言語学的な視点が欠かせないことも事実です。日本の大学の多くは、国文科や英文科のように個別言語を単位とする組織に分散しているのが実情です。本学の言語科学研究室は、そうした枠を取り払い、言語学を探求するさまざまな個別言語と方法論の専門教員の相互協力によって運営されています。留学生が多く、国際性に富んでいることも大きな特色です。学部から博士課程までの学生による合同研究発表会も定期的に開催し、学生と教員の交流にも積極的に努めています。
教員紹介
- 李 連珠 教授 LEE Yeonju
研究分野: 言語学、韓国語学、音韻論 - 加藤 重広 教授 KATO Shigehiro
研究分野: 言語学、日本語学、語用論 - 佐藤 知己 教授 SATO Tomomi
研究分野: 言語学、アイヌ語、北方言語 - 野村 益寛 教授 NOMURA Masuhiro
研究分野: 英語学、認知言語学、意味論 - 藤田 健 教授 FUJITA Takeshi
研究分野: フランス語学、ロマンス語学、統語論 - 菅井 健太 准教授 SUGAI Kenta
研究分野: ロシア語学、スラブ語学 - 蔦 清行 准教授 TSUTA Kiyoyuki
研究分野: 国語学、文献学、歴史言語学
主な講義題目
- アイヌ語学の諸問題
- 日本語アクセント論
- ロマンス語対照言語学
- 古典日本語研究の方法と実践
- 認知意味論研究
- ロシア語学・スラブ語学の諸問題
- 日本語統語語用論研究
修士・博士研究テーマ例
- 現代日本語における授受補助動詞を用いた敬意表現の使用動機と効果について ─「品行」概念を使用したポライトネス理論再考とともに─
- 日本語における再帰性の研究
- 日本語の対称表現の社会語用論的研究