今村 信隆

プロフィール

今村 信隆 准教授 / IMAMURA Nobutaka
研究内容

17世紀フランスの絵画理論と絵画談義の研究、美術館における声と公共性の研究、日本の鑑賞教育史の研究

研究分野
美学、美術批評史、博物館学
キーワード
美術批評、絵画談義、声、公共性、鑑賞教育
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/文化多様性論分野/芸術学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/文化多様性論講座/芸術学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/哲学・文化学コース/芸術学研究室
連絡先

研究室: 500
Email: no_imamura*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

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Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
芸術学研究室今村 信隆 准教授

17世紀仏と21世紀の日本、
芸術鑑賞でつながる美学の道

17世紀のフランスでは若手の美術家や愛好家が集い、王立絵画彫刻アカデミーを設立。皆で作品を鑑賞し、美術談義を交わす場が生まれました。残された記録からは口頭で交わされた議論がエクリチュール(書かれたもの)として定着していく美術批評黎明期の過程を読み取ることができます。他方、近代的なミュージアムでの鑑賞体験は、他者と距離を置く内省的な鑑賞姿勢(「お静かに!」)が主流になってきました。私の関心は鑑賞場面のこうした多様さにあります。静かで孤独な鑑賞方法にも、17世紀フランスで実現していたような誰かと一緒にその場で語り合っていくという鑑賞方法にも、それぞれに可能性があるのではないかと考え、美学・芸術学・博物館学を横断的に研究しています。

17世紀フランスの会話篇形式による絵画論。活版印刷の書体が愛らしく、時おりスペルの間違いが見つかるなど「読みたくなる」親近感に溢れている。
1年生対象の授業で作成した冊子『Museum as X』。「たとえるならば、ミュージアムとは」という問いかけに対し、学生からは「カメレオン」「夜の公園」「原っぱ」などユニークな回答が寄せられた。

語り合い、学び合う
共に学ぶ芸術の楽しみ

「芸術とは何か」という大きな問題に真正面から向き合うことは、もはや困難だと言われています。人類が拓いてきた芸術の仕事は、いまや、一望することができないほど広大な大地のようにひろがり、一人の研究者が安易に踏破を目指すことすら許さないほどです。しかし、幸いにして私たちは、必ずしもひとり孤独に、芸術と向き合うわけではありません。もちろん、研究には孤独な局面がつきまとうでしょう。作品を味わうときに、自らの感性に問いかけるときに、思索の過程を言葉でたどっていくときに。しかしその探求の時間が、別の誰かの探求の時間と交わることの幸いも、私たちは知っているはずです。大学で芸術学を学ぶことの意義はここにあると思います。それは、各人にとって大事な課題を持ち寄り、真剣に、しかし楽しく語り合うかけがえのない時間になるはずです。

研究活動

略歴

北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。札幌芸術の森美術館学芸員、京都造形芸術大学専任講師、同准教授、甲南女子大学准教授を経て、2018年より北海道大学文学研究院特任准教授、2021年より現職。

主要業績

著書
共著(分担執筆)
  • 田中梨枝子編『博物館実習ガイドブック』、藝術学舎、2019年3月(第2章「実習に参加する前に」を担当)
論文
  • 今村信隆「1930年代の独立美術協会における『素朴』について-ルソー風、地方色、生活の問題を中心に-」(『北方人文研究』第7号、2014年3月)
  • 今村信隆「『クレーヴの奥方』の肖像-作中の絵画作品と一七世紀のイメージ論」(『京都造形芸術大学紀要 GENESIS』第19号、2015年11月)
  • 今村信隆「美術の批評と絵画談義-物語としてのロジェ・ド・ピール『会話』-」(『美学』第247号、2015年12月)
  • 今村信隆「絵の前で、批評の手前で-フレアール、フェリビアン、ド・ピールと十七世紀の絵画談義」(『北海道芸術論評』第8号、2016年3月)
  • 今村信隆「大正期・昭和初期の「対話型鑑賞」―岸田劉生、小堺宇市、関衛の鑑賞教育論から―(1)」(『北海道大学文学研究科紀要』第157号、2019年3月)

教育活動

授業担当(文学部)

  • 博物館情報・メディア論