宮嶋 俊一

プロフィール

宮嶋 俊一 准教授 / MIYAJIMA Shunichi
研究内容

宗教学理論、方法論、学説史研究。及びそれを様々な宗教現象の分析・比較研究へ応用することの試み。「スピリチュアリティ」研究、宗教と生命倫理について死生学的な視点を含めた研究、いのちや環境をめぐる問題に対する近代文明批判の立場からの研究など。

研究分野
宗教学、死生学
キーワード
宗教現象学、スピリチュアリティ、Friedrich Heiler、いのち、環境
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/哲学宗教学分野/宗教学インド哲学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/哲学宗教学講座/宗教学インド哲学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/哲学・文化学コース/宗教学インド哲学研究室
連絡先

研究室: 601
TEL: 011-706-4052
FAX: 011-706-4052
Email: miyajima*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
宗教学インド哲学研究室宮嶋 俊一 准教授

古今東西の宗教現象 に目を向け
「祈り」を考えるハイラーに共感

「祈り」という単語からすぐにキリスト教を連想する人は多いと思いますが、ドイツの宗教学者フリードリッヒ・ハイラーは古今東西から「祈り」と呼びうる宗教現象を集めて分析した大著『祈り』を発表し、第一次世界大戦後のドイツ国民に広く受け入れられました。これまでハイラーは西洋中心主義的であると批判されてきましたが、 宗教学における比較研究の重要性を鑑みて、近年では『祈り』から肯定的に継承すべきものを読み取ろうとしています。

北海道大学にはキリスト教研究の伝統がありますが、各講座の多彩な先生方との連携により研究の幅は拡がります。総合大学である利点を活かせば死生の問題に関して医学部との共同研究も可能で、豊かな膨らみのある宗教研究が実現できる環境です。

ハイラーの宗教理論を研究した『祈りの現象学』(ナカニシヤ出版)を2014年に出版。ハイラーの著書『祈り』(英語版)の表紙を飾った鳩のアイコンを本書でも形を変えて継承した。
2007年に訪れたネパールのカトマンズ。現地の宗教施設を訪ね、直接話を聞いてきた。

心酔と無関心の両極から逃れ
理解するための狭間に立つ

一般に信仰に基づく研究では「私」の問題が大きな比重を占めますが、宗教学は「彼ら」が問題をどう受け止めているのかを探る、他者理解を目指す学問です。学生指導ではつねに、研究対象に対して学問たりうる適切な距離を保つよう自覚を促しています。日常生活においても、ある事柄に対して「心酔」と「無関心」の両極端では理解が深まりません。両極の狭間で立ち位置を模索しつつ対象と向き合うという、人生においても大切な姿勢を宗教学は教えてくれます。

学生の皆さんには、研究室に閉じこもらず、海外を含めた“外”に飛び出す楽しさを、知ってほしいと思います。私自身、ドイツへの留学経験もありますが、海外からの留学生も、ぜひ北大で宗教学を学んで欲しいと思います。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

宗教学は言うまでもなく、「宗教」ではありません。人文・社会科学の一分野として、古代から現代に至るまで世界各地に見られる宗教現象を、客観的に分析・考察することを目指す営みです。宗教という営為を通じて人間とは何かを考える「人間学」であると言うこともできます。

自分とは異なる価値観や行動様式に出会ったとき、それを拒絶するのではなく、かといってそこに取り込まれてしまうのでもなく、その理解に努めること、それが宗教学の基本姿勢であると言えるでしょう。「宗教とは~だ」と決めつけてしまうのではなく、「宗教」とは何だろう、人間とは何だろう、とあらためて考えてみることが大切です。そうした姿勢は、グローバル化が進む現代において、きわめて重要なものだと思います。

近年では「宗教」に加え、スピリチュアリティといった用語が使われることもありますが、それも当然、研究の射程に入ってきます。私たちの講座ではキリスト教や仏教だけでなく、神話や巡礼、呪術やサブカルチャーなど、さまざまな領域の宗教現象に興味関心を持った学生たちが、学んでいます。あなたもぜひ、宗教学インド哲学講座の研究室を訪れてみてください。

研究活動

略歴

早稲田大学第一文学部哲学専修卒業、東京大学大学院人文科学研究科(宗教学宗教史学)修士課程修了、DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてドイツ、マールブルク大学非ヨーロッパ言語・文化学部宗教学科留学(博士論文提出資格取得)、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(宗教学宗教史学)修了、文学博士。

主要業績

  • 『祈り』国書刊行会、2018年3月(共訳)。
  • 『祈りの現象学――ハイラーの宗教理論』ナカニシヤ出版、2014年5月(単著)。
  • 市川裕、松村一男、渡辺和子編『宗教史とは何か【下巻】宗教史学論叢13』リトン、2009年12月(共著)。
  • 安藤泰至・高橋都編『シリーズ生命倫理学4 終末期医療』丸善、2012年12月(共著)。
  • M. C. テイラー編『宗教学必須用語22』刀水書房、2008年4月(共訳)。
  • 島薗進・鶴岡賀雄編『〈宗教〉再考』法蔵館、2004年1月(共著)。

所属学会

  • 日本宗教学会
  • 日本医学哲学・倫理学会
  • 日本臨床死生学会
  • 比較文明学会
  • 比較思想学会
  • 日本生命倫理学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 宗教学
  • 宗教史学
  • 宗教学演習

授業担当(文学院)

  • 研究倫理・論文指導特殊講義
  • 宗教学特殊講義
  • 宗教学特別演習

授業担当(全学教育)

  • 思索と言語

おすすめの本

  • 岸本英夫『宗教学』(原書房、初版は1961年)
    宗教学の古典的入門・概説書。宗教学とは何か、体系的にわかりやすく解説している。時代的な制約もあるので、本書に批判的に向き合う姿勢もまた必要だ。なお、類書に西谷啓治『宗教とは何か』(創文社、1961年)があるが、どちらを先に手に取るかで、宗教学の印象は大きく異なってくる。私は前者であった。
  • 石牟礼道子『新装版 苦海浄土』(講談社、2004年。初版は1969年)
    水俣病事件をテーマとした作品。「いのち」について、そして「近代」について考えるための出発点となる書物。本書が提起する問題の基本構造は、現代にもそのまま残っていると言ってよい。