文学院のポリシー

文学院の教育研究上の目的

本学院は,人文科学の諸領域において高度の専門的な教育研究を行うことにより,「ことば」に対する感受性及び論理的な思考力,総合的な判断力等を有する人材の育成を図るとともに,国際的に卓越した創造的な研究者を養成し,及びその資質の向上を図ることを目的とする。

(北海道大学大学院文学院規定第2条)

各専攻の教育研究上の理念と目的

人文学専攻

人文学専攻は,哲学宗教学,歴史学,文化多様性論,スラブ・ユーラシア学,アイヌ・先住民学,表現文化論,言語科学の7講座からなる。哲学宗教学講座には哲学倫理学,宗教学インド哲学の各研究室が,歴史学講座には日本史学,東洋史学,西洋史学,考古学の各研究室が,文化多様性論講座には文化人類学,芸術学,博物館学の各研究室が,表現文化論講座には欧米文学,日本古典文化論,中国文化論,映像・現代文化論の各研究室がそれぞれ含まれ,多岐にわたる学問領域を対象としている。

哲学宗教学講座は,経済と政治のグローバル化が進展する中で,価値観の対立と衝突も生まれている現代社会において,人間の在り方について根源的な問を発しつつ,その問に果敢に答えようとする深い学識を培う分野である。歴史学講座,文化多様性論講座,スラブ・ユーラシア学講座,アイヌ・先住民学講座は,他者と共感する真摯な姿勢と本質を見抜き相対化する批判精神を必要とする,広義の異文化を対象とする分野であり,古典を含む文献読解の方法,ヨーロッパ,アジア及び北方地域を含む多様な言語の修得,現地調査を含むデータ収集とその処理・分析方法,物質・精神にまたがる異文化へのアプローチ,地域や民族がかかえる現代的課題への視野,等について学際的・総合的な教育研究を行う。表現文化論講座は,多様な言語で記された文学・思想を対象とする日本文学,英米・英語圏文学,フランス文学,西洋古典学,中国文学,中国語学,中国思想,さらには映像論,批評理論,文化批評を対象とする視覚メディア文化や言語表現文化の教育研究が含まれる。言語科学講座は,英語学,ドイツ語学・ゲルマン語学,フランス語学・ロマンス語学,ロシア語学,国語学,日本語学など個別の言語を対象とする分野と言語理論を扱う言語学からなる。

本専攻においては,文献資料や先行研究から得られる知識はもとより,ときにはみずからフィールドへと出向いて異文化を体感する行動力も求められる。そのような自己と他者との対話を通して,文化の多様性と共通性を学び,過去と現在,中心と周縁を有機的に結びつけて世界の総体を捉え直すことのできる,バランスのとれた人材の育成を目指している。

本専攻の目的は,上記の多様な領域における個別的教育研究,並びに諸分野を複合的総合的に横断する領域の教育研究を通して専門的学識と幅広い教養を合わせ持つ学生を育成し,中等・高等教育機関,博物館・資料館,国際交流機関やIT,マスメディア等,官公庁や企業のさまざまな分野で活躍できる人材を社会に送り出すとともに,創造性豊かな優秀な研究者の育成を目指している。また海外の研究者を招いて講演会,研究会等を積極的に行い,学生に海外の研究者と接する機会を提供するとともに,学生の海外派遣を含む研究教育の国際化に取り組み,国際的な視点をも身につけた人材の育成を目指している。

人間科学専攻

人間科学専攻は,心理学,行動科学,社会学,地域科学の4講座からなる。各講座には同じ名称の研究室がおかれ,1講座1研究室の体制となっている。

本専攻は心理学講座(認知心理学,認知科学,実験心理学),行動科学講座(社会心理学,社会環境と行動,文化と心理など行動科学全般),社会学講座(社会学理論,社会構造と社会変動,社会集団),地域科学講座(地域社会学,人文地理学,社会生態学)からなり,実験,コンピュータ・シミュレーション,社会調査,聞き取り調査,フィールドワークなど多様な方法論を用い,人間と社会の理解に向けた科学的・実証的なアプローチを行っている。

本専攻の目的は,まず,学生がそれぞれのディシプリンを修得した上で,専攻に共通の授業を通して微視的及び巨視的な観点を獲得すること,また国際学術誌への投稿,国際学会での発表,国内外の研究交流等を通して,大学や様々な研究機関において国際的水準に立って研究できる研究者を育成することである。さらに本専攻は,官公庁,企業等に就職し,教育,医療,IT,マスメディア等の幅広い領域で活躍できる高度専門家の養成を目指している。

アドミッション・ポリシー

文学院の理念

北海道大学大学院文学院は,グローバル化・情報化が進展する中で,従来の価値観が変化しつつある現代にあって,そこに生きる人間と人間が創り出す社会や文化の本質を学ぶことができる大学院教育を提供し,人文社会科学諸分野における専門的知識と研究方法を身に付け,社会の様々な領域において活躍できる人材を育成する。

教育目標

全国屈指の多様な研究分野と豊富な教員スタッフを擁する本学院は,学部での学修の成果をさらに向上・発展させ,徹底した少人数教育を通じて,個別の研究分野を深く追究し,現代社会のさまざまな問題に専門的な視点をもって取り組むことのできる人材を育成することを目標とする。

【人文学専攻】

専攻の理念

北海道大学大学院文学院人文学専攻は,思想,文化,歴史,言語,文学,地域研究等を教育研究の対象とし,これらの個別領域,さらにそれらを横断する領域に関して,深い専門知識並びに高い問題解決能力を身につけ,その成果を社会における様々な分野で生かすことのできる学生を求める。

■ 修士課程

求める学生像

北海道大学大学院文学院人文学専攻修士課程は,以下に示す目標を達成する意志をもつ学生を求める。

  • 人文学に属する様々な研究領域における考え方や方法論を広く学びながら,専門分野に関する文献を正確に解読できる言語運用能力と,それをもとに問題を発見し分析する能力を身につける。
  • 専門分野の研究に必要な調査を行い,そこから得られるデータを的確に処理し,分析できる能力を身につける。
  • 国際的に通用するコミュニケーション能力をもち,専門知識・技術や考察力等を生かして社会で活躍できる。

そのために,入学希望者には,専門分野に関する基礎学力及び語学力並びに研究遂行に必要なコミュニケーション能力を養っておくことが期待される。

入学者選抜の基本方針
  1. 一般入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。
  2. 外国人留学生特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。
  3. 社会人特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。

博士後期課程

求める学生像

北海道大学大学院文学院人文学専攻博士後期課程は,以下に示す目標を達成する意志をもつ学生を求める。

  • 人文学の諸領域に関する高度な専門知識をもとに研究を進め,広汎で深い知識を修得するとともに,当該領域の問題に積極的に取り組み,学術的に貢献できる。
  • 高度なコミュニケーション能力によって国際的な交流を深めつつ,各専門分野において高い独創性と指導力を発揮できる。
  • 専門とする研究成果を,社会に分かりやすく説明し還元するとともに,さらなる知の創造活動へとつなぐことができる。

そのために,入学希望者には,専門分野に関する高度な専門知識及び分析能力並びに研究遂行に必要な高度のコミュニケーション能力を養っておくことが期待される。

入学者選抜の基本方針
  1. 一般入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,口述試験等の結果及び出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,口述試験では,提出された修士学位論文(写)・研究計画書等に基づいて,専門知識・研究計画等について試問することにより,入学後の研究遂行に必要な高度な専門知識・分析能力並びにコミュニケーション能力等を評価する。また,研究室によっては,筆記による試験等を課すことにより,各専門分野における研究遂行に必要となる高度な専門知識や表現力等を評価する。
  2. 社会人特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,口述試験等の結果及び出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,口述試験では,提出された研究分野の論文(写)・研究計画書等に基づいて,専門知識・研究計画等について試問することにより,入学後の研究遂行に必要な高度な専門知識・分析能力並びにコミュニケーション能力等を評価する。また,研究室によっては,筆記による試験等を課すことにより,各専門分野における研究遂行に必要となる高度な専門知識や表現力等を評価する。

【人間科学専攻】

専攻の理念

北海道大学大学院文学院人間科学専攻は,個体としての人間やそれによって構成される集団,社会,地域を教育研究の対象とし,これらの諸要素間の相互関係を総合的に解明するため深い専門知識並びに高い問題解決能力を身につけ,その成果を社会における様々な分野で生かすことのできる学生を求める。

■ 修士課程

求める学生像

北海道大学大学院文学院人間科学専攻修士課程は,以下に示す目標を達成する意志を持つ学生を求める。

  • 人間科学の基礎分野のみでなく,応用分野まで学んだ上で,人間個人や集団に関する人文・社会科学的な知識と研究能力を身につける。
  • 専門分野の研究に必要な実験・調査を行い,そこから得られるデータを的確に処理し,分析できる能力を身につける。
  • 国際的に通用するコミュニケーション能力をもち,専門知識・技術や考察力等を生かして社会で活躍できる。

そのために,入学希望者には,専門分野に関する基礎学力及び語学力並びに研究遂行に必要なコミュニケーション能力を養っておくことが期待される。

入学者選抜の基本方針
  1. 一般入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。
  2. 外国人留学生特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。
  3. 社会人特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,専門試験及び口述試験その他の結果並びに出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,専門試験には,各専門分野における研究遂行に必要な基礎知識や表現力等の評価が含まれ,研究遂行に必要な語学力等の評価を含めることがある。口述試験その他では,研究遂行に必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力等を評価するが,研究遂行に必要な語学力等の評価も含むことがある。

■ 博士後期課程

求める学生像

北海道大学大学院文学院人間科学専攻博士後期課程は,以下に示す目標を達成する意志をもつ学生を求める。

  • 人間個人や集団について人文・社会科学的立場から,実証的なアプローチによって研究を進め,広汎で深い知識を修得するとともに,優れた調査能力・分析能力・考察力等を身につけ,学術的に貢献できる。
  • 高度なコミュニケーション能力によって国際的な交流を深めつつ,各専門分野において高い独創性と指導力を発揮できる。
  • 専門とする研究成果を,社会に分かりやすく説明し還元するとともに,さらなる知の創造活動へとつなぐことができる。

そのために,入学希望者には,専門分野に関する高度な専門知識及び分析能力並びに研究遂行に必要な高度のコミュニケーション能力を養っておくことが期待される。

入学者選抜の基本方針
  1. 一般入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,口述試験等の結果及び出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,口述試験では,提出された修士学位論文(写)・研究計画書等に基づいて,専門知識・研究計画等について試問することにより,入学後の研究遂行に必要な高度な専門知識・分析能力並びにコミュニケーション能力等を評価する。また,研究室によっては,筆記による試験等を課すことにより,各専門分野における研究遂行に必要となる高度な専門知識や表現力等を評価する。
  2. 社会人特別入試
    専攻の理念並びに課程の求める学生像に相応しい資質を有しているかを判断するため,口述試験等の結果及び出願書類の内容によって,選抜を行う。このうち,口述試験では,提出された研究分野の論文(写)・研究計画書等に基づいて,専門知識・研究計画等について試問することにより,入学後の研究遂行に必要な高度な専門知識・分析能力並びにコミュニケーション能力等を評価する。また,研究室によっては,筆記による試験等を課すことにより,各専門分野における研究遂行に必要となる高度な専門知識や表現力等を評価する。

カリキュラム・ポリシー

大学院文学院の教育課程編成・実施の方針

大学院文学院は,学位授与方針で掲げる人材を養成するため,次の特色ある取組により各専攻の教育課程を編成・実施します。

豊かな学際性

文学院は2専攻11講座からなり,哲学・歴史学・文学といった文献・資料の解釈を中核とする伝統的な分野のみならず,フィールドワークや実験を要する分野まで,100名を越える教員を擁しています。学生は少人数の授業や指導教員による直接指導を受け,専門とする分野の研究を深めていくとともに,隣接分野の授業などに参加していくことにより視野を広げ,研究を豊かにすることもできます。

最先端の研究拠点

文学院は,スラブ・ユーラシア研究センター、アイヌ・先住民研究センター,応用倫理・応用哲学研究教育センター,北方研究教育センター等と連携しつつ,国内外の研究者が集う世界レベルの研究拠点を形成しています。学生は,こうした世界レベルの研究環境に身をおくことにより,さまざまな研究者と交流しながら最先端の研究に参加し,研究のスキルをみがくことができます。

研究支援

文学院は,「共生の人文学」プロジェクトを立ち上げ,国際学会・全国学会における研究発表や研究調査に対する旅費支援,国際学会での発表,英語論文の投稿に対する校閲費支援を行ない,学生の研究をサポートします。留学生に対しては,チューターをつけるとともに、日本語添削プログラムを設け,論文執筆等を支援します。また,優秀な学生をTF,TA,RA,および留学生のチューターとして採用し,教育・研究の経験を積ませるとともに,日本学術振興会特別研究員,科学研究費の申請書類の書き方のセミナー、学内の人材育成本部によるセミナー等を定期的に行ない,キャリア形成の支援を行なっています。さらに,博士号取得後の研究の継続を支援する専門研究員,共同研究員の制度も設けています。

また,学修成果の評価の方針を,次のとおり定めています。

学修成果の評価の方針

I. 成績評価の基準

  1. 成績評価は,本学院の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる本学院の学位授与水準を踏まえ,授業科目ごとに授業担当教員が具体的な「到達目標」を設定し,履修者の学修成果の達成度に応じて行うこととする。
  2. 授業担当教員は,成績評価の結果をみた上で,設定した「到達目標」が妥当であったかどうかの検討を各自の責任において行う。また,授業科目ごとに,「到達目標」の適切性について成績評価の結果等により教務委員会で検証し,必要に応じて担当教員に「到達目標」の再検討を依頼する。
  3. 本学院における授業科目では成績分布の目安は示さない。

II. 成績評価の方法

  1. 成績評価は,試験,レポート,小テスト,プレゼンテーション,学修態度等により行う。
  2. 授業への出欠状況を単に点数化し,評価に用いることはしない。
  3. 具体的な評価方法は,授業担当教員が定める。

人文学専攻の教育課程編成・実施の方針

人文学専攻では,学位授与水準に定めた能力を持つ人材の育成を目標として,以下のとおりカリキュラムを編成し,実施します。

修士課程
  • 各専門分野において,最先端の研究成果を学ぶ講義や,さまざまな資料・文献類の講読や研究報告をもとに問題発見能力と分析能力を養い,優れた修士論文の作成を支援する演習を配置します。
  •  各専門分野の研究を行うのに必要な幅広い知識を修得するため,専門以外の研究領域の考え方や方法論を教授する文学院の二専攻の共通講義科目として「人文社会構造論」「複合環境文化論」「多文化共生論」「総合社会情報論」「研究倫理・論文指導特殊講義」を開講します。また,大学院共通授業科目や他専攻,他学院の科目を履修できるように,柔軟性のあるカリキュラムを提供します。
  •  研究対象となる国や地域への留学や現地調査を推奨するとともに,修了後に専門的知識を活かして社会で活躍できるよう各種資格の取得を推奨する指導を行います。
  • TA業務を通じて,さまざまな職業で必要となる指導力の向上を図ります。
博士後期課程
  • 博士論文に至る過程として,複数の教員が構成する指導委員会により,学位取得へ向け万全の準備をもって臨めるよう指導するとともに,博士論文指導特殊演習を通して,個別に専門分野での深い学識の涵養と継承を図り,自立した研究者として必須の問題発見力や問題解決力,またそれによって得られる独創的な研究成果を論理的に公表できるよう指導します。
  •  各専門分野において主体的に研究を行い,成果の発信能力を磨くために,国内外の学会・研究会等への参加や企画の機会を提供し,学会誌への研究論文の積極的な投稿を促します。優れた研究発表を行うための旅費支援体制,研究コミュニティにおいてコミュニケーション能力を高め,研究ネットワーク形成を促進するため支援体制を確立させます。
  •  研究の高度化を図るために対象となる国や地域への留学や現地調査を推奨するとともに,修了後に専門的知識を活かして社会で活躍できるよう各種資格の取得を推奨する指導を行います。
  • 高度なTF,TA,RA業務等を通じて,研究の場で必要となる優れた指導力とプロジェクト遂行能力の向上を図ります。

人間科学専攻の教育課程編成・実施の方針

人間科学専攻では、学位授与水準に定めた能力を持つ人材の育成を目標として、以下のとおりカリキュラムを編成し、実施します。

修士課程
  • 人間と社会を理解することを目標として、微視的および巨視的な観点を獲得するために専攻に共通の授業を設置します。
  •  各専門分野の研究を行うのに必要な幅広い知識を修得するため,専門以外の研究領域の考え方や方法論を教授する文学院の二専攻の共通講義科目として「人文社会構造論」「複合環境文化論」「多文化共生論」「総合社会情報論」「研究倫理・論文指導特殊講義」を開講します。また,大学院共通授業科目や他専攻,他学院の科目を履修できるように,柔軟性のあるカリキュラムを提供します。
  •  実験、コンピュータ・シミュレーション、社会調査、聞き取り調査、フィールドワークなどの多様な方法論を修得するための授業を設置します。
  •  各専門分野のディシプリンに基づいた問題解決力と修士論文の作成・発表方法を修得するために演習を設置します。
  • TA業務を通じて、さまざまな職業で必要となる指導力の向上を図ります。
博士後期課程
  • 博士論文に至る過程として,複数の教員が構成する指導委員会により,学位取得へ向け万全の準備をもって臨めるよう指導します。
  •  各専門分野の研究者として自立する上で必要な問題解決力と博士論文の作成・発表方法を修得するために博士論文指導特殊演習を設置します。
  •  国際学術誌への投稿、国際学会での発表、国内外の研究交流を支援します。
  • 高度なTF・TA・RA業務等を通じて、研究の場で必要となる優れた指導力とプロジェクト遂行能力の向上を図ります。

アセスメント・ポリシー

目的

(1)文学院では「北海道大学アセスメント・ポリシー」に基づき,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)で示された教育目標への到達度を高めるために教学アセスメントを実施する。

実施体制

(2)文学院の教学アセスメント実施責任者は,学院長とする。

(3)文学院の教学アセスメントは,文学院教務委員会において実施する。

実施及び分析

(4)文学院の教学アセスメントは,別に定めるアセスメント・チェックリストにより実施する。

(5)評価結果を参考とした教育改革の内容は,積極的に公表する。

(6)教学データの取り扱いについては,本学の関係規程等を遵守し,個人情報等の保護につとめる。

ディプロマ・ポリシー

大学院文学院の学位授与の方針

大学院文学院は,本学が掲げる4つの基本理念(フロンティア精神,国際性の涵養,全人教育,実学の重視)の下,人文科学の諸領域において高度の専門的な教育研究を行うことにより,「ことば」に対する感受性及び論理的な思考力,総合的な判断力等を有する人材の育成を図るとともに,国際的に卓越した創造的な研究者を養成し,同時にその資質の向上を図ることを教育目標としています。

大学院文学院では,この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を修士課程と博士後期課程において専攻ごとに定め,当該能力を身につけ,かつ所定の単位を修得し,学位論文の審査及び試験に合格した者には修士または博士の学位を授与します(修士課程の場合は,修士論文に代えて「特定課題研究」を選択することもできます)。

人文学専攻の学位授与水準

人文学専攻では,文学院の教育目標に基づき,人間の思想やその発露としての精神文化,地域横断的な視点を含む諸地域の歴史,言語とそれに関わるさまざまな表現文化を研究の対象とし、これらの領域を個別的かつ総合的に理解し、関連する問題を解決できる人材の育成を目標としており,次の能力を持つと認められる者に対し,修士または博士の学位を授与します。

  • 修士課程 
    • 哲学,倫理学,宗教学,インド哲学,歴史学,考古学,文化人類学,芸術学,博物館学,スラブ・ユーラシア学やアイヌ・先住民学の諸分野,文学等の言語文化・言語芸術と広く関連する諸分野,言語科学の各領域に関わる理論的あるいは実証的な基礎研究,さらに現代社会の諸問題をめぐる研究において,それぞれの研究の方法を身につけ,これまでの研究を適切に理解するとともに、必要に応じて現地調査を含むデータ収集とその処理・分析を的確に行う能力
    • 各専門分野に関わる文献を正確に読解し,人文学的な研究に活用できる言語運用能力
    • 各専門分野について身につけた知識と理解のもとに自ら思考を展開し,研究課題を適切に設定する能力とそれを解決する能力,また研究に必要な説明を適切に行うコミュニケーション能力
    • 異文化に対する知識とその深い理解力、さまざまな地域や民族がかかえる現代的課題を具体的に把握する観察力と分析力を基盤とした、高度の専門性を必要とする職業を担う人間としての総合的な能力
  • 博士後期課程
    • 哲学,倫理学,宗教学,インド哲学,歴史学,考古学,文化人類学,芸術学,博物館学,スラブ・ユーラシア学やアイヌ・先住民学の諸分野,文学等の言語文化・言語芸術と広く関連する諸分野,言語科学の各領域に関する高度な専門的知識をもとに調査・研究・保存・活用を行い,学会発表などで各分野の学界に貢献し,博士論文を完成させることができる,卓越した研究推進能力と問題解決能力
    • 各専門分野において国際的な交流を深めるためのコミュニケーション能力
    • 自ら議論を発展させていく豊かな発想力を備えながら、各専門分野において総合的な学問の継承および発展を図ることができる,独創性を伴う深い学識と高い指導力
    • 広汎な文化的事象を深く理解し,学知の継承の重要性を踏まえて,専門とする研究テーマについて専門家としてのゆるぎない視点と知識を持ち,社会にわかりやすく説明し知的還元を行う能力

人間科学専攻の学位授与水準

人間科学専攻では、文学院の教育目標に基づき、個体としての人間やそれによって構成される集団、社会、地域を研究の対象とし、これらの諸要素間の相互関係を総合的に解明できる人材の育成を目標としており、次の能力を持つと認められる者に対し、修士または博士の学位を授与します。

  • 修士課程
    • 認知心理学、社会心理学、認知科学、行動科学、社会学、地域社会学、人文地理学、社会生態学に関する専門的知識を修得できる能力
    • 人間と社会の理解に向けた科学的・実証的なアプローチにより研究を遂行できる能力
    • 企業、学校、行政などの幅広い業種で活躍できる能力
    • 国際的に通用するコミュニケーション能力
  • 博士後期課程
    • 認知心理学、社会心理学、認知科学、行動科学、社会学、地域社会学、人文地理学、社会生態学に関する高度な専門的知識を修得できる能力
    • 人間と社会の理解に向けた科学的・実証的なアプローチにより博士論文を完成させる能力
    • 大学や研究機関も含めて幅広い業種で活躍できる能力
    • 国際的水準を満たした研究能力