外国語教育の方針と学生の外国語能力向上のための取組
文学部・文学院では、人文学及び人間科学の研究を開始するために必要となる基本的な英語力を修得した学生を育成する。そのため、以下のとおり、学生に対して本学部・学院が求める英語力の具体的な到達目標を明示した上で、学生の英語力を把握・向上させるための取組を実施する。
1)外国語能力の到達目標
- 学部卒業時の英語力の到達目標を、4年次の人文学及び人間科学の研究を海外で履修するための申請要件であるTOEFL iBT71点相当に置く。
- 大学院修了時の英語を含む外国語能力の到達目標を、国際学会における発表に置き、これに必要な語学力を身につけられるように、外国語運用を向上させる授業科目の履修を推奨する。
2)外国語能力を向上させるために実施する取組
- 外国語運用能力を高められるような授業科目等を、学部・大学院ともに増やすよう努める。
- 学部生・大学院生に外国語運用を向上させるために有益な授業科目を紹介し、履修を推奨する。
- 本学で提供される留学プログラムへの参加を推奨する。
3)外国語能力を把握するための取組
- 大学で実施するTOEFL-ITP、TOEIC-IPも活用し、卒業時までに英語外部試験のスコアシートを提出させる。
- 大学院の授業の中で、外国語で発表させるなど、外国語運用能力を測る工夫を進める。
4)取組の実施予定時期
- 学部学生に対する取組については2021年度入学者から実施する。
- 修士課程学生に対する取組については2025年度入学者、博士後期課程学生に対する取組については2027年度入学者から実施する。
学生の国際性を涵養できた実例
実例1
一年生の新渡戸カレッジ生は国際交流科目を履修し、現代日本学プログラムの講演会シリーズに参加することで、英語で講演を聞き、英語でレポートを書く。レポートを採点しているラフェイ准教授は、英語のポイントとレポートの内容について英語でフィードバックをしている。新渡戸カレッジ生は対話プログラムで英語の上達についてフェローと話し、場合によっては英語の勉強方法や向上させるための方策について英語ネイティブの教員に相談する。長期留学する学生は半年、または1年間留学する。現在は英語圏に留学しなくても英語が共通語と言える状況にあるので、学生の英語力は向上する。帰国してから、文学部の説明会に参加する学生も多い。
実例2
「国際教養演習I」という授業で“Preparing Your Mind for Study Abroad”という講義題目の独自の授業が春と夏タームにそれぞれ1単位科目として開講され、留学を考えている学生が受講する。授業は原則英語で行うので、学生が発表、会話、質問、discussionをすることで英語の練習になる。学生が悩むwriting も練習し、writing の問題点、academic English の利用の仕方を学ぶ。自己理解と自分の長所・短所について考えたり、カルチャーショックや多(他)文化理解などの問題について話し合う。国際交流室は学生の相談を受けるが、場合によってラフェイ准教授と英語でコミュニケーションをする。メールのやり取りも英語で行う場合がある。
実例3
文学研究院の教員により、例年10~12程度のHokkaido サマー・インスティテュート科目(HSI科目)を提供している。これらの科目の受講生の多くは文学部及び文学院の学生である。HSI科目は基本的には英語で開講されており、受講生は英語で授業を聴講するだけでなく、英語でのディスカッションやプレゼンテーションを行うことが要求されており、英語での課題の提出も求められている場合がある。内容的にも異文化理解に関する授業が例年複数開講されている。また大学院生を対象とした英文でのジャーナル投稿のための英語論文執筆を指導する授業もあり、これらの授業は学生が英語での成果発表を行う動機づけを与えている。また例年文学研究院の教員による海外ラーニング・サテライト授業も開講されており、これらの授業も学生の外国語能力の涵養に寄与している。