プロフィール
- 研究内容
日本の古写経や仏教の思想について研究しています。
- 研究分野
- 仏教学、仏教思想史
- キーワード
- 日本古写経、漢訳仏典、部派仏教、大乗仏教、論書
- 文学研究院 所属部門/分野/研究室
- 人文学部門/哲学宗教学分野/宗教学インド哲学研究室
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人文学専攻/哲学宗教学講座/宗教学インド哲学研究室
- 文学部 担当コース/研究室
- 人文科学科/哲学・文化学コース/宗教学インド哲学研究室
- 連絡先
研究室: 614
TEL: 内線: 4044
Email: hayashidera*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。- 関連リンク
Lab.letters
文化財から“テキスト”へ
日本の古写経研究に新たな動き
従来、日本の古写経はその歴史的な価値から美術品や文化財として大切にされてきましたが、今、そうした流れに新しい動きが加わりつつあります。近年、国内では一部の古写経をデジタル画像にしたりデータベースにしたりする事業が進められ、まさに本文テキスト研究の対象資料として内容の検証が試みられ始めているのです。私もこの新しい取り組みに魅せられた一人であり、世界標準の漢語仏典テキストとして広く活用されている『大正新脩大蔵経』(底本は高麗大蔵経再雕版)と日本の古写経などとの比較検討をおこない、そこに差異がみられる場合、どちらが本来の読みや内容を保持しているのかという問題などについて考究しています。
仏教学を専門的に学べる
道内唯一の大学
私自身の研究においても学生の皆さんへの指導にあたっても、異読を含め一字一句をおろそかにしない、という姿勢を大切にしています。後世に伝わる異読や異本は果たして伝承過程で起こった単なる誤りによるものなのか、それとも何らかのわけがあるのか。また、異読や異本によって仏典本文の意味内容は変わるのか、それとも変わらないのか。一字一句を丁寧に読み解くという作業を通して、物事をさまざまな点から見るという複眼的な視野を修得していければと思っています。
北海道大学は道内で唯一、サンスクリット語やパーリ語といったインド古典語をはじめ、仏教学を専門的に学ぶことのできる大学です。私もその一員として、仏教に関心のある学生さんの学びを応援していきたいと考えています。
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
悟りを開いてから45年間にわたって人々に教えを説いたブッダ(釈尊)は、最期の説法として「自灯明 法灯明」(みずからを灯明〔依り所〕とし、法を灯明〔依り所〕とせよ)という言葉を遺しました。この遺言に忠実にしたがった仏教徒たちは、何世代にもわたってブッダによって説かれた「法」を徹底的に追究してきました。
少々大雑把な言い方になりますが、今日に伝わる様々な仏典や膨大な注釈書の類をはじめ、特色のある教理体系を構築した各学派・各宗派という存在は、仏教徒がそれぞれ「法とは何か」と真摯に思索をめぐらせた結果であると言っても過言ではありません。
仏教には長い歴史、様々な教理・思想、さらには地域的特殊性などがありますから、分かりにくい、全体像がつかみにくいという側面もありますが、逆に多様性があるからこそ面白いとも言えます。
仏教に興味・関心のある学生の来訪をお待ちしています。
研究活動
略歴
北海道大学文学部卒業、同大大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、国際仏教学大学院大学 学術フロンティア研究員、同大附置日本古写経研究所 主任研究員、本学准教授を経て現職。
主要業績
- 「金剛寺の新出『普賢菩薩行願讃』サンスクリット音写本」(『印度哲学仏教学』第24号)
- 「『三法度論』における教理の展開」(『日本仏教学会年報』第79号)
- 「日本古写経中の新出資料『三法度論』とその問題点」(『仏教学』第49号)
- 「『舎利弗阿毘曇論』における縁起解釈」(『印度哲学仏教学』第20号)
- 「アビダルマにおける四念処」(『日本仏教学会年報』第70号)
- 『原始仏典 中部経典Ⅲ』春秋社(共訳)
所属学会
- 日本印度学仏教学会
- 日本仏教学会
- 日本宗教学会
- 仏教思想学会
- パーリ学仏教文化学会
- International Association of Buddhist Studies
教育活動
授業担当(文学部)
- 仏教学概論
- インド哲学仏教学
- インド哲学仏教学演習
授業担当(文学院)
- インド哲学仏教学特殊講義
- インド哲学仏教学特別演習
授業担当(全学教育)
- 思索と言語