欧米文学、日本古典文化論、中国文化論、映像・現代文化論の4研究室によって構成され、文学・思想・映像・大衆文化などを含む幅広い文化を教育・研究の対象とします。英語圏、フランス、西洋古典、スラブ語圏、中国、日本の各地域と言語、および古代から現代までの時代にわたって、人間が表現してきた豊かな作品を、多様な批評理論・映像論・文化理論に基づき、理論的かつ具体的に分析し評価することを主眼とします。言語文化や視覚メディア文化を深く研究したい方を歓迎いたします。
欧米文学研究室
欧米文学研究室では、ヨーロッパや英語圏の文学を堪能します。英語圏文学・フランス文学・ロシア及びスラブ文学・西洋古典文学などの伝統的研究を縦糸に例えると、横糸は文献学・文化歴史表象・比較文学・文学理論などの横断的手法。多様な糸で紡がれた文学の絨毯に乗り、想像と創造の世界に旅立ちましょう。
研究室からのメッセージ
欧米文学研究室では、真摯にテクストに立ち向かう意志をもつ、学生の皆さんをお待ちしています。
教員紹介
- 瀬名波 栄潤 教授 SENAHA Eijun
研究分野: 英米文学、英語圏文学、ジェンダー・セクシュアリティ研究 - 竹内 修一 教授 TAKEUCHI Shuichi
研究分野: フランス現代文学 - 竹内 康浩 教授 TAKEUCHI Yasuhiro
研究分野: アメリカ文学 - 戸田 聡 教授 TODA Satoshi
研究分野: 古典文献学(特に古代ギリシア語文献学)、古代キリスト教史 - 小椋 彩 准教授 OGURA Hikaru
研究分野: ロシア文学、ポーランド文学、比較文学 - 宮下 弥生 助教 MIYASHITA Yayoi
研究分野: Shakespeare劇、物語理論、中世英文学
主な講義題目
- Scholar and Scholarship
- アメリカ文学研究の基礎
- スラヴ文化研究
- フランス文学研究の諸問題
- 古代ギリシア語文献読解
修士・博士研究テーマ例
- Act to Live: Performance as the Way of Life in J. D. Salinger’s “Uncle Wiggily in Connecticut”
- ロシア文学のなかのサハリン-E. ヴェルキン『サハリン島』 を中心に-
- Literary Fathers and Sons: Charles Dickens, Mark Twain, Sherwood Anderson, and Paul Auster
日本古典文化論研究室
日本古典文化論研究室は、日本古典文学・日本古典文化に関する学問を行う研究室です。『源氏物語』に代表される古代から、近松・西鶴・芭蕉等が人気の近世まで、各自の好みに合致した研究を万全の体制でサポートします。
研究室からのメッセージ
日本古典文化論研究室は、上代から近世にわたる前近代の日本文学・文化を扱う研究室です。一口に古典といっても、私たちの研究対象には神話や物語文学、和歌や説話や芸能に至るまで様々な分野の作品が含まれますが、それら全てを古典たらしめているのは、作品という特定のテキストやことばの営みに関して、歴史を通じて繰り返されてきた価値付けの積み重ねです。私たちの前に提示される古典は、過去を振り返り、価値あるものとして選ばれたということになります。と同時に、私たちはその価値を更新する営みの中にあると言えます。対象の真の価値を見つけて問い直す、あるいは対象の本来の姿を見定める、価値付けの過程を洗い出す、そんなところに私たちの研究は位置づけられます。研究室では、自由な雰囲気の中、めいめいが興味ある対象を見つけ、お互いの交流の中から刺激を受けて歩みを進めています。一緒に新しい光を当ててみませんか。
教員紹介
- 金沢 英之 教授 KANAZAWA Hideyuki
研究分野: 上代文学 - 野本 東生 准教授 NOMOTO Tosei
研究分野: 中世説話文学 - 南 陽子 准教授 MINAMI Yoko
研究分野: 近世文学 - 小林 理正 講師 KOBAYASHI Tadamasa
研究分野: 中古文学
主な講義題目
- 古代文学研究
- 浮世草子研究
- 源氏物語解析
修士・博士研究テーマ例
- 根之堅洲国の意義
- 三条西家本『和泉式部日記』不審本文考
- 太閤記物の研究-権力と文学の関わりに注目して-
中国文化論研究室
中国文化論研究室では、中国の思想、言語、文学などをはじめ、中国および漢字文化圏に関する幅広いテーマを学習・研究することができます。多くの学生は、中国・台湾への短期・長期の留学を体験しています。また本研究室には、中国からの留学生も多く、相互に生の異文化に触れあい、学びあうことができます。
研究室からのメッセージ
中国文化論研究室の書棚には、中国の思想、言語、文学についての本や雑誌、辞書が並んでいます。学生は、この部屋で授業の準備や、論文を書くための調べ物をして過ごしています。また、学生たちの手で研究誌や同人誌を発行し、それぞれの研究内容を発信しています。本を読むことや辞書を引くことが好きな人、読書会を開いてみたい人、雑誌作りに興味のある人、ぜひのぞいてみてください。
教員紹介
- 近藤 浩之 教授 KONDO Hiroyuki
研究分野: 中国古代思想、易学思想史 - 田村 容子 教授 TAMURA Yoko
研究分野: 中国演劇、中国文学 - 𢎭 和順 教授 YUHAZU Kazuyori
研究分野: 中国古代学術思想 - 熊 征 講師 XIONG Zheng
研究分野: 中国古典文学、中国哲学
主な講義題目
- 『五行大義』研究
- 明清民国文学研究
- 『朱子語類』研究
- 『苕渓漁隠叢話』精読
修士・博士研究テーマ例
- 『金瓶梅詞話』における性描写について
- 『易林』における神仙思想 ―西王母を中心に
- 陶淵明の隱逸詩とその思想
映像・現代文化論研究室
映像・現代文化論研究室では、日本の近代・現代の文学全般、日本および世界の映画を中心として、広く現代の表象文化(アニメーション映画・マンガ・写真・サブカルチャーを含む)と思想を理論的・具体的に考究します。文学・映像・思想のいずれについても、現在の理論水準を追究し、現代世界に通用する最先端の研究を目指します。
研究室からのメッセージ
映像・現代文化論研究室は、1)日本近現代文学については、明治から現代まで、小説・詩・評論を含め、いわゆる純文学からミステリー、ライトノベルに至るまで、あらゆる時代とジャンルにわたり、2)映像・表象文化論については、日本映画・西洋映画・中国映画の各専門教員を擁し、アニメーションやドキュメンタリーも併せ、どの地域・時代・ジャンルにも対応しています。
特に、フランス現代思想、フェミニズム・ジェンダー批評、分析美学、フィクション論などを含む世界の理論動向を常に注視し、また理論的な研究とともに、歴史的・具体的な実証と解釈を重視して、ダイナミックに追究します。
研究成果の公開・発信としては、北海道大学映像・現代文化論学会を組織し、年度大会および複数回の講演会を催すとともに、年刊学術雑誌『層 映像と表現』を発行し、学生の発表の場を設け、研究を強力に推進しています。
意欲ある学生の皆さんをお待ちしております。
教員紹介
- 応 雄 教授 YING Xiong
研究分野: 映像表象論 - 押野 武志 教授 OSHINO Takeshi
研究分野: 日本近代文学、表象文化論 - 水溜 真由美 教授 MIZUTAMARI Mayumi
研究分野: 近現代日本思想史、ジェンダー研究 - 川崎 公平 准教授 KAWASAKI Kohei
研究分野: 映像論、日本映画研究
主な講義題目
- 日本現代文化の諸問題
- 現代表象文化研究
- ジェンダー研究
- 視覚文化研究
修士・博士研究テーマ例
- 西尾維新ミステリ論
- ヒッチコック映画論
- 表象としての <木戸孝允>-イメージの一五〇年史-