田村 容子

プロフィール

田村 容子 教授 / TAMURA Yoko
研究内容

1. 中国の近現代演劇 
2. 連環画・プロパガンダ芸術 
3. 中国における社会主義文化の受容

研究分野
中国演劇、中国文学
キーワード
京劇、様板戯、革命バレエ、連環画、おんながた
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/表現文化論分野/中国文化論研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/表現文化論講座/中国文化論研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/言語・文学コース/中国文化論研究室
連絡先

研究室: 416
Email: ytamura*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
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Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
中国文化論研究室田村 容子 教授

激動の20世紀中国を映し出す
「男旦」と女優の演劇史

中国の伝統演劇である京劇は20世紀に入ってから近代化の波を受け、「男旦(ナンタン)」(おんながた)によって演じられた女性役を、女優も演じるようになりました。この女優台頭に対して京劇史上屈指の男旦である梅蘭芳(メイランファン)は、独自の演技術を模索して男旦の価値を高め、その一方で海外文化の流入の早かった上海では、女優の向こうを張る衣裳や演出で、新しい現代的な女性像に挑む男旦もあらわれました。こうした役者の生き様はそのまま、中国文化史の映し鏡になっており、時代の潮流を読みながら芸術的欲求を追求する演劇人たちのたくましさが、舞台におとらぬ輝きを放っています。

男旦が表紙を飾る雑誌『百美図』(1938/1939)。いずれも新作劇のヒロインだが、右(楊貴妃)は古典風の衣裳、左(ナポレオン夫人ジョセフィーヌ)は西洋風のドレスを着用している。
中国文化論研究室有志で第10号まで発行した同人誌『連環画研究』。「連環画」は中国の絵物語。

懐の深い中国文化論研究室
共通言語としてのビジュアル資料

北大の中国文化論研究室は、中国に関する研究ならなんでもできるという懐の深さが魅力です。武田雅哉先生(北海道大学名誉教授)を中心に行った共同研究「乳房の図像と記憶」は、中国文化の乳房史を取り上げたもの。中国から出発し、地域や学問領域の境界を越えて、乳房にまつわる想像を探究しました。学生でいられる時間を、“目標までの最短ルート”を選んで過ごすよりも、自分の好奇心を大切にしてください。

膨大な数の方言や識字率の低かった歴史を持つ中国では、演劇や絵画のようなビジュアル文化は、“共通言語”の役割を果たしてきたといえるでしょう。文字で得た知識だけにとらわれず、“絵”を読み解く面白さを、みなさんと共有していきたいです。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

長い歴史をもつ中国で育まれた演劇や文学などの伝統的な様式が、域外の文化をどのように受け入れ、あるいは排除しつつ変化してきたかということに関心をもっています。北海道の地から世界地図を眺め、はるか遠くの中国大陸とその周辺地域の文化の交わりについて考えることは、いま立っているみずからの足もとを見つめることにつながってくるのではないでしょうか。中国文化論研究室でいっしょに辞書を引き、本を読み、まだ見ぬ中国語圏の文化誌を編みましょう。

研究活動

略歴

1975年、愛知県名古屋市生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館専任助手(東洋演劇)、福井大学教育地域科学部・国際地域学部准教授、金城学院大学文学部教授を経て、2020年より北海道大学大学院文学研究院准教授(中国文化論研究室)、2023年より同教授。

主要業績

所属学会

  • 日本現代中国学会
  • 日本演劇学会
  • 日本中国学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 中国文学演習
  • 中国語学文学

授業担当(文学院)

  • 中国文学特殊講義

授業担当(全学教育)

  • 芸術と文学

おすすめの本

  • 『青い脂』ウラジーミル・ソローキン著、望月哲男・松下隆志訳(河出書房新社)
    北大から生まれた名訳。現代ロシア文学に埋め込まれた中国語が味わい深い。