水溜 真由美

プロフィール

水溜 真由美 教授 / MIZUTAMARI Mayumi
研究内容

『サークル村』を中心とする日本の戦後文化運動、堀田善衞・武田泰淳を始めとする日本の戦後文学・戦後思想、日本のフェミニズム思想、日本近代文学における女性労働者の表象等について研究しています。

研究分野
近現代日本思想史、ジェンダー研究
キーワード
思想、社会運動、ポストコロニアル、ジェンダー
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/表現文化論分野/映像・現代文化論研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/表現文化論講座/映像・現代文化論研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/言語・文学コース/映像・現代文化論研究室
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
映像・現代文化論研究室水溜 真由美 教授

炭鉱で暮らした人々の
息吹を伝えるサークル活動

1950年代、国内の炭鉱では文学、合唱、演劇などの文化活動が盛んに行われ、地方色豊かなサークル誌も発行されていました。過酷な労働環境を世に訴えたいという炭鉱独得の題材も抱えつつ、活動内容は実に豊か。誌面からは当時を生きた人々の息吹が伝わってきます。

1958年には各地で活動するサークルのネットワーク化を目指して福岡県中間市で月刊誌「サークル村」が創刊。編集委員には谷川雁、森崎和江、上野英信らの知識人が名を連ねました。私がこうした研究を始めたのも、この森崎和江研究がきっかけ。出発地点を進んでいくうちに思わぬ道に分け行っていくのも文学研究の面白さなのかもしれません。

1960年5月に休刊した「サークル村」。詩や短歌、エッセイの他に「往復書簡」や「内政干渉」というコーナーもあった。
三井三池炭鉱宮原坑第2竪坑櫓。社宅(棟割長屋)でのコミュニティが確立されていた。

生きた証言、豊かな自然
北海道で得た視野の広がり

私が東京から北海道大学に赴任してきたのは2002年のこと。かつての炭都である夕張や美唄、歌志内を訪れ、当時を知る方々の貴重なお話をうかがうことができました。そうした機会を通じて自分の中に育まれていったのは、「地方」という新たな視点。中央では見えてこなかった地元への愛着や生き生きと時を重ねてきた人々の歴史が、北海道の美しい自然とともに心にせまってきました。北海道に来たことで視野の広がりを持てたことは、人生の大きな収穫でした。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

最近は、主に、堀田善衞、武田泰淳を始めとする日本の戦後派作家と戦間期における女性労働者の表象について研究しています。授業では、ジェンダー、戦争、ポストコロニアルなどのテーマについて、評論、小説、映画など様々なジャンルの作品を取り上げて考察しています。

近現代の日本の文化は、グローバル化する世界の中で、めまぐるしい時代の変化に晒され、他国の文化の大きな影響を受けながら形作られたものです。近現代の日本文化を学ぶ際に特に重要なことは、幅広い視野を持つことです。そのためには、古典的な作品や様々な分野の研究書を、沢山読んでください。学生時代に身につけた読書の習慣は、大学卒業後も、先の見えない現代社会を生きる上で必ず役に立つはずです。

研究活動

略歴

東京大学教養学部教養学科卒、同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修了、博士(学術)

主要業績

所属学会

  • 社会思想史学会
  • 「女性・戦争・人権」学会
  • 昭和文学会
  • 北海道大学国語国文学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 国文学演習
  • 日本思想

授業担当(文学院)

  • 現代表象文化論特殊講義
  • 現代表象文化論特別演習

授業担当(全学教育)

  • 共通科目(社会の認識)