若手研究者支援セミナー「学振特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」開催されました

3月17日(木)に、文学研究院・研究推進委員会主催の若手研究者支援セミナー「学術振興会特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」がZoomで開催されました。この相談会は、2022年5月の申請(2023年度採用分)に向けた実践的な申請書の書き方をテーマとして2016年度から始まった試みです。コロナ禍のため昨年度に続き今年度もオンラインでの開催となりました。第1部での教員による話題提供に続き、第2部では事前に申し込みのあった申請予定者がBreakout roomに移動し希望する専門分野の相談員に直接相談できる個別相談会を開催しました。第1部には、大学院生のほか学部生や研究生、ポスドクの方など33名が参加、第2部には計8名の大学院生と専門研究員が参加しました。

第1部は佐藤健太郎先生(東洋史学研究室)からの話題提供です。まず初めに、学振特別研究員DCおよびPDの採択経験者でもある佐藤先生から”学振特別研究員とは何か” 、”学振特別研究員になるといいこと”について簡単に紹介がありました。既に学振特別研究員についてある程度の知識がある参加者にとっても、実際の経験者から聞くメリットを再確認することで、申請に向けたモチベーションを上げる効果になったことと思います。次に、日本学術振興会の公式サイトで公開されている過去の審査員リスト審査方針を改めて確認することの必要性についての話がありました。申請書は、”申請者と審査者とのコミュニケーション”であること。自分が選んだ審査セットではどんな研究を専門にしている研究者が審査をするのか、“学振はDCやPDに何を求めているのか?”を再認識することで”何を伝えたいか”、”どう書いたら伝わるのか”、を考えながら申請書を書くことが大事である、ということです。更に、佐藤先生が実際に採択された科研費の申請書とその申請書を改悪した”よろしくない記載例”の両方を提示しながら、具体的な申請書の書き方についてのアドバイスがありました。最後に、優れた研究は日常的な積み重ねが大前提であり、申請書ではその研究内容をどう落とし込むかを念頭におくことの大切である、と、まとめられました。

佐藤健太郎先生(東洋史学研究室)による話題提供

第2部は、話題提供をしていただいた東洋史学研究室の佐藤先生のほか、宗教学インド哲学研究室、地域科学研究室、映像・現代文化論研究室、心理学研究室から4名の教員、哲学倫理学研究室、日本史学研究室、日本古典文化論研究室、心理学研究室、西洋史学研究室から5名のDC・PD採択者が相談員として対応する個別相談会を行いました。審査員経験や申請書の指導経験が豊富な先生方と現役の学振特別研究員が相談員となり、事前に申し込みのあった参加者とBreakout roomに移動して申請書の草案やアイデア、不採択になった申請書を共有しながら相談に応じました。相談者は、別の研究室に所属する同じ分野の相談員や、自分の専門とは異なる専門分野の相談員と研究内容や申請書作成で難しい部分について話すことができ、5月の申請に向けて実践的なアドバイスを受けつつブラッシュアップする機会となりました。

第2部での相談員10名の協力による個別相談会

終了後のアンケートでは、参加者から「特に、実際の体験談をお伺いすることができた点が、とても有り難かったです。」「細かいところまで情報を共用し、また相談させていただいてありがとうございました。」「申請資格はまだないですが、将来の研究に繋げる有益な情報がたくさん得られました。」といったコメントをいただきました。相談会は来年度も、同じ時期に開催予定です。

例年、現役・元学振特別研究員DC・PD・RPDおよび外国人特別研究員の方々のご協力により、採択された申請書を自由に閲覧できる閲覧コーナーを相談会会場に設置していますが、昨年に続き今回もオンラインでの開催のため残念ながら設置できませんでした。採択された申請書の閲覧をご希望の方は、研究推進室(文学研究院・研究棟203室)にて閲覧可能です(文学研究院の若手研究者に限ります)。閲覧希望の方は、事前にメール(kenkyu[at]let.hokudai.ac.jp)で閲覧希望日時を研究推進室までご連絡ください。

例年4月に開催している「申請書の書き方セミナー」は、2023年度は10月に開催予定です。現在、研究生や学部生の方で学術特別研究員についてもっと知りたい方はこちらのセミナーにご参加ください。詳細は、公式サイトをご確認ください。多数のご参加をお待ちしております。