若手研究者支援セミナー「学振特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」開催されました

2月14日(火)に、文学研究科・研究推進委員会主催の若手研究者支援セミナー「学術振興会特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」が開催されました。
例年の学振特別研究員採択者の体験談を中心としたセミナーとは別に開催された今回の相談会は、個別相談をメインとして実践的で具体的な申請書の書き方について考える場となりました。

話題提供者の宮内 泰介先生(地域システム科学講座)

まず第1部では、宮内 泰介先生(地域システム科学講座)から、「相手に伝わる申請書を書こう」というタイトルで話題提供がありました。宮内先生は、ご自身の審査員経験なども踏まえながら、学振特別研究員申請書の審査制度の概要を説明し、審査は、「自分の専門領域ドンピシャじゃない」審査員が1件あたり15~20分程度の短い時間を使って行っていることを示されました。そのため、レベルを保ちながらわかりやすく自分の研究の良さを伝えられるように書くことが特に重要であると強調されました。その上で、わかりやすく相手に伝わる申請書を書く工夫について、実際の例を示しながら具体的に説明されました。また、複数の人に読んでもらいながらブラッシュアップしていくことが大切だと話されました。

第2部は、審査員経験や申請書の指導経験が豊富な教員と現役学振特別研究員とが専攻ごとに二人一組となり、参加者たちの質問や相談に個別に対応する相談会となりました。参加者たちは日ごろ聞くことのできない申請書についての疑問や書き方のコツについて、直接相談する機会を得ることができました。あらかじめ自分で書いてみた申請書を見せながらアドバイスを受ける参加者や、別の視点からの意見も参考にするために自分の専攻以外の相談員のところへ相談にいく参加者も見られました。相談員の方々は、参加者の質問にひとつひとつ丁寧に応えていました。

今回のもうひとつの新しい試みとして、過去に採択された申請書や関係書類等を自由に閲覧できる閲覧コーナーが、相談会会場に設置されました。相談までの待ち時間等を使って、たくさんの参加者が採択された申請書や資料を熱心に閲覧していました。この申請書の閲覧は、これまで文学研究科で学振特別研究員DC・PDに採択された方々のご協力により実現しました。この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。

相談会の様子
専攻ごとに相談窓口を設けました
思想文化学専攻
相談員の山田 のぞみさん(芸術学専修・左)と田口 茂先生(倫理学講座・右)
歴史地域文化学専攻
相談員の今泉 和也さん(北方文化論専修・左)と小杉 康先生(北方文化論講座・右)
言語文学専攻
相談員の岸本 宜久さん(言語科学専修・左)と池田 証壽先生(言語情報学講座・右)
人間システム科学専攻
相談員の須山 巨基さん(行動システム科学専修・左)と宮内 泰介先生(地域システム科学講座・右)
閲覧コーナー
これまでに採択された申請書を閲覧する参加者

新しい試みとして開催された相談会でしたが、修士課程、後期博士課程の大学院生を中心に39名が参加しました。昨年度開催のセミナーよりもかなり多い参加人数で、相談会という形式への関心が高かったことが伺えます。参加者は、宮内先生のお話や相談員の方々との直接のやりとりを通じて、それぞれ申請書を書くための方向性やヒントを見つけたのではないかと思います。

アンケートの回答でも、ほぼすべてが、今回の相談会は「役に立つ」と回答し、また自由筆記欄にも、「とても参考になった」、「とてもよい相談会だった」といった高い満足度を示すコメントが多く寄せられました(アンケート回収率は約75%)。

4月には、「申請書の書き方セミナー」を開催する予定です。日程などの詳細は、決まり次第、Webサイトでご案内いたします。多数のご参加をお待ちしております。

今回、セミナーに参加できなかった方で、当日の宮内先生のレクチャー部分の動画をご覧になりたい方は、研究推進室(研究棟203室)にて閲覧可能です(文学研究科の若手研究者に限ります)。