若手研究者支援セミナー「学振特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」開催されました

2月14日(水)に、文学研究科・研究推進委員会主催の若手研究者支援セミナー「学術振興会特別研究員(DC・PD)申請書の書き方相談会」が開催されました。この相談会は、5月の申請に向けた実践的な申請書の書き方をテーマとして昨年度から始まった試みで、今年度も、第1部での教員による話題提供の後、第2部として申請書の書き方について参加者が相談員に直接質問する相談会が行われました。

まず、池田 証壽先生(言語情報学講座)から、「確かな研究基礎力に裏付けられた申請書の作成:学振特別研究員採用への戦略と戦術」というタイトルで話題提供がありました。「研究基礎力」とは、専門分野に関する高度な知識・能力に加え、関連分野に関する教養と主体的に研究を進める能力を指しますが、池田先生はまず、申請者がこの研究基礎力を有していることを申請書に表していくことが重要だと話しました。申請書と論文の違いや科研費申請書との違いなども示しながら、池田先生は、学振特別研究員の申請書では、これまでの研究状況をきちんと提示した上で、これからの研究計画を、長期的視野に立った研究への熱意を示しながら、研究員採用期間の2~3年間で何をしたいかを具体的に書くことが大切だと話しました。研究計画ではまた、すでに実施した予備的な検討を踏まえたワクワク感のある挑戦的な研究の実施を中心に据えながら、一方で例えば翻訳やデータベース化といった確実に成果の出せる研究を組み合わせるというようにして、実現可能性を示すと良いだろうと話しました。

池田 証壽先生(言語情報学講座)による話題提供

第2部は、審査員経験や申請書の指導経験が豊富な教員と現役学振特別研究員とが専攻ごとに二人一組となり、参加者たちの質問や相談に個別に対応する相談会となりました。参加者たちは日ごろ聞くことのできない申請書についての疑問や書き方のコツについて、直接相談する機会を得ることができました。過去に不採択となった申請書を持参しアドバイスをもらう参加者も見られました。

相談会の様子

今回も現役・元学振特別研究員DC・PDの方々のご協力により、採択された申請書を自由に閲覧できる閲覧コーナーが相談会会場に設置されました。相談までの待ち時間等を使って、たくさんの参加者が熱心に閲覧しました。ご協力くださいました方々に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

閲覧コーナーでこれまでに採択された申請書を閲覧する参加者

今回の相談会には、修士課程・博士後期課程の大学院生ら18名が参加しました。昨年度よりも少ない参加人数でしたが、その分、相談員とゆっくり時間をとることができ、アンケートでも「とても親身に相談にのっていただけてありがたかった」「たくさんコメントいただけて、大変勉強になった」という声が寄せられました。

4月には、例年通り「申請書の書き方セミナー」を開催する予定です。日程などの詳細は、決まり次第、ウェブサイトでご案内いたします。多数のご参加をお待ちしております。
今回セミナーに参加できなかった方で、池田先生の講義部分の動画をご覧になりたい方は、研究推進室(文学研究科・研究棟203室)にて閲覧可能です(文学研究科の若手研究者に限ります)。