書香の森・特集図書展示の更新を行いました。今回は、令和7年度に新たに文学研究院のメンバーになった教員の著書を紹介します。
- 展示期間: 2025年11月5日(水)〜2026年1月9日(金)
展示図書リスト
Sidgwick and Contemporary Utilitarianism
(Nakano-Okuno, Mariko 著、Palgrave Macmillan 2011年)→ 出版社の紹介ページ
倫理学の名著『倫理学の諸方法』の精緻な分析をもって現代功利主義を批判的に検討した書ですが、著者の私が一番気に入っているのは(友人の撮影による)表紙かもしれません。地層が時代の厚みを、水面の反射 (reflection) が哲学的反省を、水面に映る像が他者の感情を自分の心に再現するさまを表しているように感じています。
ローマ帝国の統治構造:皇帝権力とイタリア都市
(飯坂 晃治 著 北海道大学出版会 2014年)→ web書香の森
ローマ帝政期の2世紀から3世紀にかけて進行したイタリアの統治構造の変化が、単なる中央集権化ではなく、都市の行政・財政上の問題に対応しうる統治構造の構築ないし人的資源の供給をも意味したことを論じています。
日本列島北部における新石器型狩猟採集社会の形成過程:タチカルシュナイ遺跡M-I地点の研究
(夏木 大吾 編著 東京大学大学院附属北海文化研究常呂実習施設 2020年)→東京大学リポジトリ
遠軽町タチカルシュナイ遺跡M-地点において、北海道では稀有な縄文草創期の土器と石器を発見し、晩氷期の温暖期には本州系の文化が寒冷なオホーツク海沿岸に北上してきたことを明らかにした。
平和創造学への道案内:歴史と現場から未来を拓く
(山田朗・師井勇一 編、小山 亮 分担執筆 法律文化社 2021年)→ 附属図書館の紹介ページ
明治大学開講の「平和学」の教科書として編まれたもの。各地の平和博物館を紹介する第Ⅲ部「平和を創造するための〈場〉」において、広島平和記念資料館の開館までの経緯や現在の常設展示について解説しました。「村山談話」で知られ、明治大学OBでもある村山富市元内閣総理大臣が巻頭に推薦文を寄せています。


