琴琴さん 中国 修士1

Cho Kin Kin, China / Master’s Course

I was full of anxiety when I couldn’t come to Japan due to the spread of coronavirus infection, but I overcame it by receiving advice and encouragement while interacting with teachers and seniors in the laboratory through online classes and SNS. I am studying “quantifiers in Japanese” that I have been interested in since I was studying Japanese in China. Under the guidance of Professor Shigehiro Kato, I was able to notice new points of focus for research, and I am studying broadening my research horizons.

コロナ禍のため来日できない時期は不安でいっぱいでしたが、オンライン授業やSNSで研究室の先生や先輩とつながり、アドバイスや励ましをいただくことで乗り越えました。中国で日本語を勉強していた時から関心をもっていた「日本語における数量詞」について研究しています。加藤重広先生のご指導により、新たな研究の着眼点に気づくことができ、研究の視野を広げて勉強中です。

日本に来られたのはいつですか

中国の上海外国語大学日本語学科で日本語を学びました。卒業後、日系企業に就職し、IT部門にて情報基盤整備や企画に携わりながら、社員に日本語を教えていました。その中で、もっと日本語の能力を向上させたい、深く日本語を勉強したい、という気持ちが高まり、一念発起して日本への留学を決意しました。2020年4月から研究生として入学しましたが、コロナ禍でなかなか来日できず、11月末にようやく来日することができました。来日後は、留学生宿舎の友人と一緒に、毎日朝から夕方まで北大附属図書館で勉強を続け、2021年2月の北大文学院の後期入試を受験。2021年4月から修士課程に進学し、加藤重広先生の指導の下、言語学研究室で研究しています。

現在の研究テーマを教えてください

「日本語における数量詞遊離」というテーマで研究しています。

中国の大学で日本語を学んでいた頃から日本語の数量詞に興味をもっていました。日本語には「3つのリンゴをください」というほかに、「リンゴを3つください」という言い方があります。3つという数量詞がリンゴという名詞の後方に位置する表現で、このような数量詞の遊離は中国語では見られませんし、他の外国語でも珍しい語順です。この現象を言語科学的に解明したいと思い、文学院で研究を行っています。

なぜ留学先に北大文学院を選んだのですか

日本語の数量詞についてインターネットで調べていると、言語学の専門用語に次々に出会いました。調べれば調べるほど、自分の知識不足を感じるとともに、新たな知識への好奇心が湧いてきました。検索しているうちに「日本語の連体数量詞と遊離数量詞の分析」という加藤重広先生の論文を見つけました。加藤先生のプロフィールを見て、その研究領域の広さを知るにつけ、先生の指導を受けたいと思うようになりました。さらに北海道大学は長い歴史と伝統があり、豊富な教育資源のもと、外国人留学生も学びやすい環境が整っていることを知り、北大で学びたい気持ちが強くなりました。

家族の説得も含め、仕事を辞めて日本への留学を決意するのは大変でしたが、現地で学ぶ大切さとスキルアップを信じ、勇気を出して前に踏み出しました。

文学院で学んでよかったことは何ですか

専門の言語学に関しては、授業やゼミを通して、新たな研究の着眼点に気づくことができました。数量詞の研究をしていく上で、品詞や語用論など関連領域についても勉強の幅を広げていく必要があります。今は研究の視野を広げて勉強中です。その上で修士論文の骨子となるポイントを探し出し、まとめていく必要があると考えています。

言語学だけではなく、日本の文化や歴史についても広く学びたいと思い、前期はアイヌ文化の授業なども受講しました。さまざまな授業を通して今まで知らなかった日本に関する知識を得ることができ、自分の世界が広がるとともに専門の日本語研究にもプラスになると思っています。

日本・札幌の暮らしはどうですか

もともと日本が大好きで、18歳の頃から毎年2回日本を訪れていました。その中でも北海道は特に好きな土地でした。昨年の来日以降、授業で学んだ道内の関連の場所はなるべく訪れるようにしています。北海道開拓の村、北海道博物館、神威岬、洞爺湖などです。北海道の海鮮料理や温泉も大好きです。

出身地の江西省は札幌に比べ暖かいので、冬の雪は新鮮でした。寒さよりも、ロマンチックな雪景色にワクワクします。冬の北大キャンパスも素敵ですが、一斉に緑が芽吹き花開く春、緑があふれる夏もとても美しく心地よいです。イチョウ並木で彩られる秋の風景も楽しみにしています。

困ったことはありませんでしたか

研究生として入学したにもかかわらず、コロナ禍で来日できない時期が本当につらかったです。仕事を辞めて退路を断って日本で学ぶことを決意したのに、先が見通せず、本当に留学できるのかどうか不安でたまりませんでした。それでも6月からオンライン授業が開始され、中国から先生方の指導を受け、研究室の先輩達と交流するうちに、徐々に不安が解消されていきました。先輩達は、勉強に役立つ本を推薦してくださったり、先生の人柄を教えてくださったりしました。また、文学院の他研究室の中国人留学生の方達とはWeChat(SNS)で交流し、情報交換を続けています。

あってよかったサポートは何ですか

サポーター制度は、初めて日本に来た留学生が銀行口座を開設したり、役所での書類手続などを支援してくれるもので、とてもありがたかったです。チューター制度は、留学生の教育研究のサポートをしてくれるもので、大学院受験前の研究計画書作成の際にさまざまなアドバイスをいただきました。

  • 留学生支援(サポーター制度、チューター制度、日本語添削プログラム)

研究生のときは外国人留学生寮に住んでいました。この寮の管理人さんが本当に親切で優しく、心の支えになりました。毎日寮の友人と、北大の図書館で受験勉強を続けていたのを応援してくださり、入試直前に、北海道神宮の合格祈願お守りをいただきました。この気持ちに応えるためにも試験を頑張ろうと思いました。

大学院入学とともに、留学生寮から民間のアパートに移りました。部屋探しは、北大生協のサービスを利用しました。外国人留学生がアパートを借りる時は、部屋探しや手続きで苦労すると聞いていましたが、保険手続きも含め、とてもスムーズに進められて本当に助かりました。

中国人留学生限定のサポートになりますが、北海道大学学友会という中国人留学生の交流組織があります。ここでさまざまな情報を得たり、交流を行っています。私はここで、日本語、特に敬語の使い方についてレクチャーしたことがあります。

海外から北大文学院を目指す人へのメッセージをお願いします

北大は、1年中さまざまな風景が楽しめるとても美しいキャンパスです。静かで落ち着いて勉強できる研究環境が整っています。先生方は知識が豊富でとても親切なので、自分が研究したいことを指導してくださる安心感があります。北大生協のごはんも安くて美味しいです。カレーライスがお勧めです!施設も人もとても包容力がある北大で学ぶことは、人生の財産になると思います。

(2021年8月取材)