モルナールレヴェンテ さん ハンガリー 博士後期課程2

Molnár Levente, Hungary / Doctoral Course

When searching for a place to research film studies, I saw four researchers at Hokkaido University studying Visual and Modern Culture. Using French Thought and Philosophy in order to research Film Studies is truly unique, and something that I believe you can only do here at Hokkaido University. The environment at the Graduate School of Humanities and Human Sciences is great. Students have the freedom to do the research they choose and this is definitely appealing.

映画研究をする上で、研究室名に「映像」という文字が入っていて映画研究者が4人もいる北大の映像・現代文化論研究室は特別です。フランスの思想、哲学に裏打ちされた映画研究ができるのが特徴的で、日本の北大でしかできない研究だと思います。北大文学院は環境もよく、希望する研究ができる自由な雰囲気が魅力です。

日本に来られたのはいつですか

日本に来る前は、ハンガリーのデブレツェン大学の学部、修士課程で文学を学びました。在学中の2009年に1年間弘前大学に交換留学をしました。この時は日本語を勉強しました。帰国して修士課程修了後は、私立の外国語専門学校で日本語教師として約1年間小学生に日本語を教えました。その後日本企業のハンガリー工場に就職し、2014年8月から9月に研修で再来日しました。会社に3年間務めた後、2015年10月に研究生として北大文学研究科に入り、2016年4月に修士課程入学、2018年4月に博士後期課程に進学しました。

現在の研究テーマを教えてください

修士課程では、阿部嘉昭先生のもとで、日本映画の作家論研究をしました。とりあげたのは今村昌平監督です。博士後期課程からは指導教員を応雄先生に変えて、中央ヨーロッパを中心に、映画空間の研究をしています。特にハンガリーのタル・ベーラ監督とヤンチョー・ミクローシュ監督の映画空間について掘り下げています。この2人の監督はショットが長いのが特徴です。映画は撮り方、空間の切り取り方によって観客の受け取り方が異なってきます。こういった映画の特徴と空間について分析、考察しています。

なぜ留学先に北大文学研究科を選んだのですか

日本企業で働いたのは、学んだ日本語を使いたくてチャレンジのための就職でした。この時は、まだ自分の将来について展望を持っていませんでした。将来について考えている頃に、日本で行われた会社の研修で日本人の上司から、「君は日本の大学でちゃんと学んだ方がいいんじゃないか」とアドバイスをいただき背中を押していただきました。それで、自分が好きな映画の研究をしたいと思い至りました。インターネットで日本の大学を調べるうちに、研究室名に「映像」という文字が入っていて映画研究をしている教員が4人もいる北大は特別だと感じました。日本でこんな大学は他にありません。

文学研究科で学んでよかったことは何ですか

映像・現代文化論研究室で学んでいると視野が広がります。さまざまな観点から研究ができます。資料もいっぱいありますし、先行研究がいい意味で癖がある。フランスの思想、哲学に裏打ちされた映画研究をするのは非常に特徴的です。アメリカやヨーロッパとも違う、日本の北大でしかできない研究だと思います。この研究室に来る人は、最初は映画好きで入ってきますが、研究室で学んでいくうちに、フランスの思想を軸とした映画研究というものが少しずつわかってくる。留学生は、研究生の時期にこの特徴的な研究手法に慣れていくので、研究生というシステムはとても助かりますね。

日本・札幌の暮らしはどうですか

北海道でよかったと思います。本州の夏の湿度は辛いですからね。北海道は自然が豊かでヨーロッパに似たところもあり好きです。洞爺湖や有珠山の景色は素晴らしいです。

困ったことはありませんでしたか

生活上の困ったことはほとんどありませんでしたが、研究をしていく上で、修士から博士に進学する時に、テーマと指導教員を変更する際にはいろいろ考えましたね。やはり大きな変化なので、勇気が必要でした。

あってよかったサポートは何ですか

サポーターは、来日したときには制度を知らなくて利用しませんでした。以前交換留学したときに一通りのことは経験済みなので必要なかったです。今は、自分がサポーターとして、さまざまな国からの留学生をサポートしています。
チューター制度はとても助かります。自分が言いたいことを文章にする際に、まわりくどい表現になってしまうことがありますが、チューターが自然な日本語表現としてサジェスチョンをしてくれるのはありがたいです。

海外から北大文学院を目指す人へのメッセージをお願いします

北大文学院は環境もよく、自由な雰囲気です。研究したいことがあればできる点が魅力です。自分の研究したいテーマを持っている人にはふさわしい場所だと思います。ぜひ、研究したいテーマでチャレンジしてみてください。

(2019年4月取材)