「プラス1ピース読書会 Vol.7」開催されました

7月24日(月)「書香の森」にて第7回「プラス1ピースの読書会」が開催されました。今回取り上げたのは、竹澤 正哲先生(行動システム科学講座)の『文化進化論』と『協力する種』です。

はじめに文化進化研究について、これまでの研究の流れの解説がありました。人間は、進化の結果、社会から影響を受ける心の性質を獲得し、社会や文化はその心を足がかりとして成立していることが明らかになってきました。こうした観点から文化のダイナミクスを定量的に記述していくのが文化進化研究ですが、今回紹介したアレックス・メスーディの『文化進化論』は、本来であれば複雑な数式を理解する必要がある研究成果を、数式を用いずに解説した本です。その邦訳には竹澤先生による明快な解説がされていて、出版後の反響の大きさが紹介されました。

もう1冊の『協力する種』は、『文化進化論』の応用編というべき本で、これにも訳者たちの適切な解説がされていることで、邦訳への評価が高いことが紹介されました。

1piece

今回のプラス1ピースのテーマは「園芸棚」。『協力する種』を制作していく段階で、担当の編集者さんが竹澤先生に懸念をもらされました。
「本のタイトルを「種」を(たね)と読まれて、書店の園芸コーナーの棚に置かれたらどうしましょう?せっかくかっこいい表紙なのに、表紙タイトルに(しゅ)というルビをつけるのは嫌なんですよね。」
先生と編集者さんがあれこれ考えた結果、表紙につける帯紙に「種(しゅ)」とルビをふることで解決しました。本をつくるということは、内容は勿論、装丁にも様々なものがたりがあるというお話でした。

装丁秘話は、まだまだ。原著と邦訳の表紙を見比べてみて、編集者さんのこだわりに会場のみなさんも納得の表情でした。