〈特集図書展示No.25〉文学研究院 出版助成図書2021 展示詳細

書香の森・特集展示の更新を行いました。今回は2021年度に文学研究院の助成を受けて出版された書籍を紹介します。

  • 展示期間: 2022年4月11日(月)〜2022年8月5日(金)

展示図書リスト

一般図書刊行助成

  • 「生きること」の問い方 — 歴史の現場から →web書香の森
    (大門 正克、⻑谷川 貴彦 編著 日本経済評論社)
    〈内容紹介〉歴史のなかに「生きること」を問うことはいかにして可能か。書かれたことから、聞き取ったことまで、多彩な史料を読み解き、人びとが「生きること」にどう向き合ってきたのか。そうした問題に新たな光をあてる本書は、日本の近世から現代までの個別事例に即して検討し、それらをイギリス(ヨーロッパ)と日本の歴史的比較のなかに位置づけ、広く内外の学界に問題を提起するものである。
  • 接続する文芸学 — 村上春樹・小川洋子・宮崎駿 →web書香の森
    中村 三春 著 七月社)
    〈内容紹介〉物語を語り、読むことは、私を私ならざるものに「接続」することである。語り論、比較文学、イメージ論、アダプテーション論を駆使して、村上春樹『騎士団⻑殺し』『多崎つくる』『ノルウェイの森』、小川洋子『ホテル・アイリス』『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』、宮崎駿『風の谷のナウシカ』『風立ちぬ』 などを論じる。
  • 交差する日台戦後サブカルチャー史 →web書香の森
    押野 武志・吉田 司雄・陳 國偉・涂 銘宏 編著 北海道大学出版会)
    〈内容紹介〉歴史と記憶をめぐる日台戦後サブカルチャー研究である。戦後、旧植⺠地時代の「日本」の記憶が完全に忘却、あるいは否定されたわけではなく、台湾社会に「日本」イメージは読み替えられながら残存し現在に至る。本書は、戦前の日台関係史を踏まえ、そうした台湾側からの日本へのまなざしだけでなく、日本からの台湾へのまなざしとも交錯させながら双方の戦後サブカルチャー史に焦点を当てる比較文化研究でもある。

文学研究院 研究叢書

  • からまりあい重なりあう歴史 — 植⺠地朝鮮の文化の力学 →web書香の森
    権 錫永 著 北海道大学出版会)
    〈内容紹介〉柳宗悦の朝鮮のための「愛の仕事」、移植された桜、文化的欲望をかき立てる博覧会・・・・・・、そこに引き起こされた闘争・贈与・受容・敗北・創造。複雑に織りなされた植⺠地の文化の力学について、本書はその織り目に、今日に至る朝鮮の人々の屈折した思いと心理を浮かび上がらせ、「⺠族の物語」からの転回を見透かす。本書は、「⺠族の物語」に贈る讃歌であり、挽歌である。

文学研究院 楡文叢書

  • 人権論の光と影 — 環大⻄洋革命期リヴァプールの奴隷解放論争 →web書香の森
    田村 理 著 北海道大学出版会)
    〈内容紹介〉アメリカ独立革命、フランス革命の衝撃を受けた18世紀末のイギリスでは、南北アメリカの黑人奴隷の解放を訴える運動が勃発し、「万人は生来にして自由」という人権理念が一挙に浸透した。奴隷貿易港リヴァプールですら、例外ではない。しかし間もなく、人権理念の破壊力を柔軟に受止めつつ、その享有主体をイギリスの成人男性に限定したり、あるいはそれを、アジア、 アフリカの植⺠地支配の口実にしたりする企てが現れた。