4回北大人文学カフェ「増える鹿、減るトナカイ」開催されました

12月18日(土)、紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第4回人文学カフェが開催されました。今回は、「増える鹿、減るトナカイ」と題して、話し手の立澤史郎さん(文学研究科、地域システム科学講座)が、北海道で増えるエゾシカ、屋久島で増えるヤクシカ、シベリアで減るトナカイを話題に人間と野生動物との関わり方について、会場の皆さんと対話を通して交流の場をもちました。

当日は年末の雪の日にもかかわらず、80名をこえる多くの方にご来場いただきました。

増える鹿問題対策、クイズ形式で会場の皆さまも考えていただきました

第1部は、話し手のトークを中心に、会場の皆さんにクイズを通して増える鹿問題への対策を考えていただきました。

まず、北海道のエゾシカについて、増えている現状とその原因、何が問題なのか、その対策について現在行われていることと、今後の対策について立澤さんから紹介がありました。

次に、屋久島のヤクシカについて、増えている現状とその原因、何が問題なのかを、立澤さんが島民のみなさんと一緒に行っている市民調査のデータを用いて解説しました。地元の人の意見を反映した管理案を、今後の対策として提言しようとしていることが紹介されました。

最後に、地球温暖化の影響を受けて減っているトナカイについて解説、これが北方先住民や都市の人々の生活に影響を与える社会問題であることが紹介されました。

「屋久島の世界遺産地域と人里でヤクシカが増えていることは市民調査のデータからも明らかです」と解説する立澤さん

 

今回のカフェでは、増える鹿に対してどんな対策をとればいいのか、会場の皆さまにも考えていただきました。エゾシカ対策とヤクシカ対策のそれぞれについて、クイズ形式で回答していただき、自由意見も書いていただきました。

第2部は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、立澤さんが回答していく対話コーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただきました。これをテーマごとにご紹介し、立澤さんが回答していきました。

会場からの質問にジョークを交えながら回答する立澤さん

最後に、フィールドワークの魅力と、北海道で、また文学研究科でフィールドワークや生態学を研究する意義やメリットについて語っていただき、カフェのまとめとしました。

ご来場いただいた皆さんからは、「時間が短く感じられた。もっとお話しを聞きたかった」「地域の人とも関わりながらのご研究のお話し大変面白かったです」「とても参加しやすい形式で(中略)一般人にとって何かを考えるきっかけになります」といったご意見をたくさんいただきました。話し手の立澤さんも「皆さんのさまざまな意見を伺うことができて、自分自身、大変勉強になりました」という感想を述べられました。

この人文学カフェのようすは近日中に北海道大学のオープンコースウェアにて公開される予定です。また関連企画として「増える鹿!減るトナカイ?」ミニ写真展が開催されます。こちらへのご来場もお待ちしています。