25 北大人文学カフェ「人は宗教でしあわせになるのか?」開催されました

2019年11月9日(土)紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第25回北大人文学カフェが開催されました。今回は「人は宗教でしあわせになるのか? ― ウェルビーイングの宗教社会学 」と題して、話し手の櫻井義秀先生(文学研究院・社会学研究室)に解説いただき、会場の皆さんと語り合いました。当日はおよそ120名の方にご来場いただきました。寒い中、お越しいただいた皆さまに感謝いたします。

話し手の櫻井先生
聞き手の川口先生(左)。それぞれの専門を活かした軽妙なかけ合いトークでお話が進みました

今回の人文学カフェは、話し手の櫻井先生と聞き手の川口暁弘先生(文学研究院・日本史学研究室)の対話形式で行いました。第1部は、川口先生の問題提起に対して、櫻井先生がさまざまな調査データやそれに基づく解釈による解説を行いました。宗教社会学とは何か、しあわせの研究方法、宗教としあわせの関係、自立した個人としあわせの関係、終活としあわせなどの話題について、時には川口先生の研究分野の話題も絡めながら対話が進んでいきました。

10代から70代以上の幅広い世代から、大勢の方にご来場いただきました。宗教、しあわせというキーワードへの関心の高さがうかがえます
休憩時間に来場者と談笑する櫻井先生。会場前方に並べた櫻井先生の著書を手に取る来場者も大勢いました
寄せられた質問カードに目を通す櫻井先生、川口先生、質問カードを整理する大学院生の鈴木さん(左)

 第2部は、会場からいただいた質問に櫻井先生が回答していく対話コーナーでした。第1部で聞き手を務めた川口先生が、質問カードを読み上げ、それに櫻井先生が順に回答していきました。幸福度の国際比較、地域による違いとその要因について、主観的幸福感と客観的幸福感の説明、宗教的な心としあわせとの関係、日本人の幸福感の低さの理由と無常観・認知のバイアスとの関係、宗教の教えと宗教社会学との立場の違い、迷惑をかけたくない思いから終活行動の変化が起きている、SNSと宗教的行為などさまざまな質問に回答した後、人との関係の中で学び、体験し、人生を楽しんでいくことが大事だと締めくくられました。

寄せられた質問ににこやかに回答している櫻井先生