24回北大人文学カフェ「コンピュータ間違ってもいいの?論理学から人工知能へ ― 」開催されました

7月27日(土)紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第24回北大人文学カフェが開催されました。今回は「コンピュータは間違ってもいいの? ― 論理学から人工知能へ ―」と題して、話し手の佐野勝彦先生(文学研究院・哲学倫理学研究室)に、コンピュータや人工知能研究の基礎となった論理学について解説いただき、会場の皆さんと語り合いました。当日はおよそ70名の方にご来場いただきました。暑い中、お越しいただいた皆さまに感謝いたします。

第1部は、佐野先生のお話しの時間です。まず、推論とは何か、正しい推論とは?という論理学の基礎となるお話から始まり、コンピュータの原理を着想した論理学者・数学者のアラン・チューリングとその業績の紹介がありました。さらに、コンピュータは知性を示すことができるという解説がありました。そしてそのコンピュータや人工知能にも解けない問題があり、間違えうること、またそのことが重要であるという話題で締めくくられました。

お話の途中で、佐野先生から会場の皆さんに何度か演習問題が出題され、ワークシートに解答を記入する時間が設けられました。証明、計算、計算レシピ、直感による距離問題などに、会場の皆さんは真剣に取り組んでおられました。

演習問題を解いている会場の皆さん
会場を回って回答状況を確認する佐野先生
休憩時間中に寄せられた質問カードに目を通す佐野先生。 質問を整理分類しているのは、佐野先生の研究室の大学院生さんです。

第2部は、会場からいただいた質問に佐野先生が回答していく対話コーナーでした。第1部で聞き手を務めた佐野先生ご指導の大学院生の澤崎さんが、質問カードを読み、それに佐野先生が順に回答していきました。佐野先生が論理学に興味をもったきっかけ、間違うのはコンピュータではなく、プログラミングした人間では?、コンピュータやAIが人間と関わることによって学習していくなら、悪意をもった人間からのフィードバックを受けると悪意は増幅するのか、つまりAIに善悪の判断はできるのか?など、数多くの質問をいただきました。自動運転や現代のAI社会に関する多彩な質問も寄せられました。

質問を読み上げる澤崎さん
会場からの質問にも回答しました
いただいた質問に回答していく佐野先生

参加された方からは、「演習問題があって参加型の講義でよかった」「AIの可能性について興味がそそられた」「全く知らなかったチューリングとコンピュータについて聞けてよかった」などの感想をいただきました。