こんな時代だからこそ海外に行くことに意味がある。
今までにない経験を求めてイタリア

留学先 パドヴァ大学(イタリア共和国)部局間交流協定校
留学期間 2021年9月〜2022年7月
留学年次 学部4年
金子 景(かねこ けい)さん
人間システム科学コース*
(*2019年4月の改組により、人間システム科学コースは、人間科学コースとなりました。)

 

留学を志したのは,自分がマイノリティとなる環境に身を置いてみたいと思ったからです。今まで和人の親のもと日本で生まれ育った自分にとって,常に社会のマジョリティで過ごしてきたという感覚がありました。そんな自分が圧倒的にマイノリティとなる異国で暮らした時,どのように感じるのかに興味がありました。また留学先については,様々な国を訪れたかったためコロナ禍でも国家間の移動が容易そうなEU加盟国を,また2年前に訪れたローマでイタリアの食文化や街並みが気に入っていたため,イタリアのパドヴァを選択しました。

街の広場。朝は市場が立ち、夜はアペリティーボ(食前酒)と一日中賑わっている。

パドヴァは大学の街として知られています。パドヴァ大学はイタリアで二番目に古い大学で,創立は1222年です。2022年は創立800周年となるので,それを祝うイベントも行われています。日本の鎌倉時代にすでに大学が出来ていたのかと思うと,歴史の重みを感じます。パドヴァ大学の心理学部では基礎から応用まで心理に関することは全て学ぶことができます。私はせっかくなので北大の文学部ではなかなか学べない,臨床心理学など応用的な分野の授業を履修しています。授業は英語で,リモートと対面が同時に行われているため,学生は大学に行くか家かZoomで参加するかを選ぶことができます。また,授業動画はMoodleにアップロードされて何度も見返すことができるので,授業が難しくついていけなかった時は動画を見返して復習をすることができます。

心理学部のキャンパス。オブジェや壁画などが所々に配置されている。

大学の寮には留学生から正規学生のイタリア人まで200人近くが生活しており,寮の地下では毎晩のように友人と卓球やテーブルサッカーなどで遊んだり,庭でおしゃべりを楽しむことができます。コロナ禍とはいえ,ヨーロッパではグリーンパスがあればほとんど制限なく生活をすることができます。例えば映画館や美術館の入場にはグリーンパスが必須になります。私は日本でワクチンを2回接種してから渡航したため,隔離も必要なく,面倒なことはほぼなく生活をスタートさせることができました。コロナ禍ということで勝手が違うのではないかと心配したこともありましたが,逆にやりやすいと思うことも多々ありました。例えば,観光客がとても少なくなっているため,通常であれば2時間以上並ばなければ入れないフィレンツェのウフィツィ美術館にも予約なしでほとんど並ばずに入ることができました。

留学前は本当に渡航できるか分からないこともあり,及び腰になっていたところもありましたが,いざ来てみるとほとんど困ることはなく,毎日を楽しく過ごすことができています。

寮の地下でのハロウィンパーティー。