書香の森・特集図書展示の更新を行いました。今回は、令和8年度に新たに文学研究院・文学院のメンバーになった教員のうち6名の著書を紹介します。
- 展示期間: 2026年7月29日(水)〜2026年11月27日(金)
展示図書リスト
神による〈記憶〉と死者のための祈り:日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって
幕末明治期にロシアから伝わり、日本ではあまり知られていない正教会。本書は、正教会が数的にマイノリティでありながら「日本ハリストス正教会」として定着した過程を、死者の弔いから描き出しています。Ⅰ部で歴史・儀礼・死生観などを概観し、Ⅱ部ではフィールドワークをもとに、クリスチャンである死者がいかに家の先祖となるか、家庭祭壇には何を置きその前でどう祈るかなど、具体的な弔いの実践を検討しています。
南宋政治史論
本書は、中国の南宋時代(1127~1279)に中央政治を長期にわたって強権的に壟断した4人の「専権宰相」の政権が、南宋150年の国際・国内情勢の変容のなかでいかに生みだされたのかを、主に政治の動態面に注目して明らかにしようとしたものです。
万葉集羈旅歌論
(関谷 由一 著 北海道大学出版会 2021年)→ web書香の森
現存する日本最古の和歌集、『万葉集』に載る旅の歌を考察対象とする。表題の「羈旅(きりょ)」とは「旅」の意味で『万葉集』の題詞や標目に既に用いられている漢語であるが、それがどのような内実を担わされているのかを、個々の歌の表現理解に基づき明らかにする。併せて、〈家と旅〉といった、従来の羈旅歌論の前提的枠組みを再検討し、旅の歌の中で「家なる妹」がうたわれることの起源について、一つの見通しを示す。
近代日本語教科書語彙索引
明治期から戦中期に、中国語・英語・タイ語を母語とする学習者向けに作られた日本語教科書10種15冊。その本文全文をテキスト化し、約25,000語の索引にまとめました。当時の教科書が学習者にどんな日本語を「手本」として示していたのか、一語一語から探ることができます。気になることばを、ぜひ引いてみてください。
Multivocal Archaeologies of the Pacific War, 1941–45 : Collaboration, Reconciliation, and Renewal
(Ben Raffield, Yu Hirasawa, Neil Price 編著 Routledge 2023年)→ 出版社の紹介ページ
太平洋戦争における大日本帝国の戦地には、植民地化を経験した先住民族の人々が伝統的に居住してきました。この本は、太平洋戦争史において軽視されてきた先住民やマイノリティの人々の視点から、過去から現代的問題まで各地の専門家が解説・議論しています。
農家が消える:自然資源経済論からの提言
(寺西俊一・石田信隆・山下英俊 編、寺林 暁良 分担執筆 みすず書房 2018年)→ 出版社の紹介ページ
本書は、一橋大学「自然資源経済論プロジェクト」の成果として、日本の農業・農山村の現状を分析し、持続可能な自然共生型農業への転換を提言しています。地域自治やエネルギー転換、公正な貿易を通じて、アジアと連携する新たな社会像を描きます。


