2025.2.20

南宋政治史論

汲古叢書188
著者名:
小林晃 著
文学院・文学研究院教員:
小林 晃 こばやし あきら 教員ページ

内容紹介

中国の南宋時代(1127~1279)は、中央政治を長期にわたって強権的に壟断した4人の「専権宰相」が次々に登場したことで知られています。従来、「専権宰相」は宋代(960~1279)政治史上の例外的存在と見なされてきました。本書は「専権宰相」を宋代政治史の展開のなかで必然的に生まれた存在と位置づけ、4人の「専権宰相」の政権がいかに生みだされたのかを政治の動態面に注目して明らかにしようとしたものです。

著者からのコメント

1990年代以降、日本では北宋後期の政治史研究が盛んに行われるようになりましたが、それに接続すべき南宋政治史の研究はなかなか進展しませんでした。南宋後期の政治制度の変遷や中央政治の推移を詳細に追える史料があまり残されておらず、研究者もこれをどう分析・叙述すればいいのか、戸惑いがあったのが実情だったと思われます。そこで本書では、新史料を見いだす努力を払ったのはもちろん、南宋が北方の女真(金国)やモンゴル(元朝)と常に軍事的な緊張状態にあったことに着目し、最前線の防衛体制の移り変わりや、軍隊への補給体制の変容を分析し、それと中央政治の動きとを連動させて理解することを試みました。本書が整合的に叙述した南宋150年の政治史を土台にして、今後、宋朝300年の政治史を一貫して見通す成果が生み出されることが期待されます。

〈刊行後の反響〉

海外での新刊紹介

ISBN: 9784762960871
発行日: 2025.2.20
体裁: A5判・618頁
定価: 本体価格13,000円+税
出版社: 汲古書院
本文言語: 日本語

〈主要目次紹介〉

序 章
第一章 南宋三省攷 ――高宗朝初期の対外危機と「三省合一」――
第二章 南宋孝宗朝における太上皇帝の影響力と皇帝側近政治
第三章 南宋寧宗即位直後における韓侂胄権力の確立過程
第四章 南宋寧宗朝における史彌遠政権の成立とその意義
第五章 鄭真輯『四明文献』の史料価値とその編纂目的 ――『全宋文』『全元文』の補遺を兼ねて――
第六章 史彌遠神道碑訓注稿 ――南宋四明史氏の伝記史料その一 ――
第七章 史彌堅墓誌銘訓注稿 ――南宋四明史氏の伝記史料その二――
第八章 南宋寧宗朝後期における史彌遠政権の変質過程 ――対外危機下の強権政治――
第九章 南宋理宗朝前期における二つの政治抗争 ――『四明文献』から見た理宗親政の成立過程――
付  論 淳祐年間(一二四一〜一二五二)における理宗・鄭清之の対立とその帰結
第一〇章 南宋四明史氏の斜陽 ――南宋後期政治史の一断面――
第一一章 南宋後期における両淮防衛軍の統制政策 ――浙西両淮発運司から公田法へ――
付 章 南宋寧宗朝政治史研究の前進のために
終 章