内容紹介
中国の南宋時代(1127~1279)は、中央政治を長期にわたって強権的に壟断した4人の「専権宰相」が次々に登場したことで知られています。従来、「専権宰相」は宋代(960~1279)政治史上の例外的存在と見なされてきました。本書は「専権宰相」を宋代政治史の展開のなかで必然的に生まれた存在と位置づけ、4人の「専権宰相」の政権がいかに生みだされたのかを政治の動態面に注目して明らかにしようとしたものです。
著者からのコメント
1990年代以降、日本では北宋後期の政治史研究が盛んに行われるようになりましたが、それに接続すべき南宋政治史の研究はなかなか進展しませんでした。南宋後期の政治制度の変遷や中央政治の推移を詳細に追える史料があまり残されておらず、研究者もこれをどう分析・叙述すればいいのか、戸惑いがあったのが実情だったと思われます。そこで本書では、新史料を見いだす努力を払ったのはもちろん、南宋が北方の女真(金国)やモンゴル(元朝)と常に軍事的な緊張状態にあったことに着目し、最前線の防衛体制の移り変わりや、軍隊への補給体制の変容を分析し、それと中央政治の動きとを連動させて理解することを試みました。本書が整合的に叙述した南宋150年の政治史を土台にして、今後、宋朝300年の政治史を一貫して見通す成果が生み出されることが期待されます。
〈刊行後の反響〉
海外での新刊紹介
外部リンク
〔出版社〕汲古書院の紹介ページ
