小林 晃

プロフィール

小林 晃 准教授 / KOBAYASHI Akira
研究内容

中国の宋代、とくにその後半の南宋時代の政治史を中心に研究を行ってきました。最近では宋代に続く元代や明代の政治史・社会史をも視野に入れて研究を進めています。

研究分野
中国近世史、宋代政治史
キーワード
宋朝、南宋、伝統中国、政治史、制度史
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/歴史学分野/東洋史学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/歴史学講座/東洋史学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/歴史学・人類学コース/東洋史学研究室
連絡先

研究室: 516

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
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Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
東洋史学研究室/小林 晃 准教授

南宋政治史のバイアスを剥がして
官僚たちのリアルな生き様を復元

中国近世の揺籃期に当たる南宋時代は、北中国の金国・元朝との国防問題を見据えながら、皇帝を擁する宰相たちが様々なしがらみや思惑の中、中央の官僚政治を生き抜いた時代です。その中でも私の関心は、当時の思想家たちが残した文集史料のバイアスをかいくぐり、当時の官僚たちのリアルな生きざまを復元・把握することにあり、そこが南宋政治史の最大の魅力だと感じています。新史料との出会いは、文献調査の醍醐味です。とりわけ石刻史料などは現地に足を運んで初めてその存在に気づくものもあり、“現場百遍”の重要性を実感しています。目の前の検索結果だけでなく前後の文脈も丁寧に拾いながら、その史料の真の価値を見定めていくことが重要です。

中国杭州市の六和塔に現存する南宋時代の石碑。中央政府の最高行政機関から寺院に下された行政文書が移録されている。
中国寧波市の大慈寺に現存する史彌遠の墓。史彌遠は南宋後期に25年にもわたって宰相を務めた人物。

我々が生きている時代の
常識を相対化する歴史学

歴史学は過去を知ることによって今、我々が生きている世界の常識を相対化し、より深く、かつ偏らずに現代社会を理解するということを最終目標としています。均質的な環境では持ちづらい歴史学的な視点、「なぜあの人たちはそう考えたのか」「ああいう地域に住んでいる人たちはどういう思考になるのか」という視点を育むには、この北海道は最適な学びの大地です。大学院を目指す皆さんには、自分を取り巻く状況や時流に流されず、先学が生み出してきた成果と真摯に格闘した上で、数十年後にも参照してもらえるような新たな業績を生み出すことをぜひとも目標にしてもらいたい。そのための素材や支援は、私からも惜しみなく提供したいと考えています。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

明治以前の日本は、中国の文化や書物から常に刺激を受け、自国の文化を発展させてきました。そのため、日本では中国の文章を日本語の語順に直して読解する「訓読法」が早くから編み出され、現在まで受け継がれるに至っています。この「訓読法」のおかげで、日本人は王朝時代の中国の難解な文章でさえ正確に読み解くことができ、それによって戦後日本の中国史研究は世界でもトップクラスの水準を保ってきました。外国史の研究であるにもかかわらず、日本がその最高水準にあるというのはきわめて稀有なことです。

近年では日本で中国史を専攻する学生は減りつつありますし、中国側の研究水準も大きく向上しておりますが、それでも日本の中国史研究はなおも大きな存在感を放ち続けています。つまり中国史分野では皆さんも「訓読法」をしっかりと習得し、日本の先学が残した業績を真摯に学べば、世界に通用する成果を出すことも夢ではないということです。皆さんも世界レベルの研究に挑戦してみませんか?

研究活動

略歴

神奈川県生まれ。2002年高知大学人文学部卒。2011年北海道大学大学院博士後期課程修了。2006年から2008年に中国の北京大学に留学。日本学術振興会特別研究員、熊本大学大学院准教授を経て、2026年北海道大学に着任。

主要業績

  • 『南宋政治史論』(汲古書院、2025年)単著
  • 「元代浙西の財政的地位と水利政策の展開」(『宋代史料への回帰と展開』汲古書院、2019年所収)

所属学会

  • 北大東洋史談話会
  • 北大史学会
  • 宋代史研究会
  • 歴史学研究会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 東洋史学
  • 東洋史学演習

授業担当(文学院)

  • 東洋史学特別演習

授業担当(全学教育)

  • 歴史の視座

おすすめの本

  • 『専制国家史論』足立啓二(ちくま学芸文庫)
    中国と日本は表層の文化に類似点があっても、互いに全く異なる歴史的展開をとげた異質な文明であるということを明快に説いた名著です。原著は1998年の刊行ですが、2018年に文庫化されて入手しやすくなりました。