若手研究者支援セミナー「採択される学振特別研究員申請書の書き方」開催されました

3月9日(水)に学術振興会特別研究員DC・PD申請書の書き方セミナー2016「採択される学振特別研究員申請の書き方」が開催されました。4人の学振特別研究員DC・PDの新規採用者・経験者に話題提供していただき、申請書を書く際の心構えや注意すべきことについて、ご自身の体験を踏まえてお話を伺いました。

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セミナーでの話題は、単なる申請書の書き方に留まらず、書く時の心構えや自分の研究の見つめ直し、また自分の研究や自分自身のPRをどう表現していくのかなど多岐にわたりました。さらには採用中の過ごし方とその後のキャリアパスについても話題が広がりました。

DC1須山 巨基さん(行動システム科学専修)は、学振に採択可能性のある人が採択に近づくにはどういった心構えが必要かという観点から、自分の研究課題を大きな枠組みの中で捉え直し、面白く有意義な研究であることを申請書の中でアピールしていくことが大事だと語ってくれました。

DC2新規採用の石川 まりあさん(西洋文学専修)は、必ずしも自分の分野の専門家ではない審査員に自分の研究を読みやすくPRする方法として、申請書の様式をうまく利用して段階的に自分の研究をアピールする書き方を説明してくれました。

初めての応募でPD新規採用となった井上 岳彦さん(スラブ社会文化論専修修了)は、DCとPDの大きな違いは、新しい研究課題への挑戦が求められているか否かであるとし、自身の今回の採択をこれまで他の助成金へ応募した経験やテーマ設定・細目の変更など色々なチャレンジの結果ではないかと自己分析していました。

PD経験のある映像・表現文化論講座助教の川崎 公平先生からは、自分の特別研究員時代を振り返って、自由度が高すぎるというリスクを語りながらも、とにかく研究を続けていくことが大切だと語ってくれました。「たとえ採択中に思った通りの成果が出せなかったとしても、自由に研究できた時期のインプットがあったからこそ、その後の成果がある」と川崎先生。学振への採用が研究者人生のゴールではないことを示しつつも、その経験はその後のキャリア形成に確実につながると語ってくれました。

教員コメンテーターの小杉 康先生(北方文化論講座)、近藤 浩之先生(中国文化論講座)、近藤 智彦先生(倫理学講座)の3人の先生方からも、ご自身の応募・採用中の経験、そして教員となってからの審査員としての経験や指導教員として院生の応募を支援した経験から、貴重なコメントやアドバイスがありました。また言語情報学講座の池田 証壽先生からも、これから学振に挑戦する参加者の方々への暖かい励ましのコメントをいただきました。

授業のない時期でしたが、当日は、修士課程、博士後期課程の大学院生のほか、専門研究員等も含む25名が参加されました。アンケート結果では、ほぼ全員が「役に立ちそうだ」と評価、コメント欄にも「話が具体的で分かりやすかった」、「大変ためになった」といったものが多く見られ、参加者にとっても有意義なセミナーであったことが伺えました。

今回、セミナーに参加できなかった方で、当日の資料をご覧になりたい方は、研究推進室(研究棟203室)にて閲覧可能です。

「はずかしくても自分を売り込むことも大事」と須山さん。ただし大きな「野望」を証明する具体的な研究計画が大切であるとも。
「はずかしくても自分を売り込むことも大事」と須山さん。ただし大きな「野望」を証明する具体的な研究計画が大切であるとも。
「これまでにこのセミナーには何度か参加していて参考にしました」と石川さん。初めての応募で採択されました。
「これまでにこのセミナーには何度か参加していて参考にしました」と石川さん。初めての応募で採択されました。
「何がきっかけで当たるかわからないので、チャレンジしていくことが大切」と井上さん。4月から新PDとして新しい研究機関での新たな挑戦が始まります。
「何がきっかけで当たるかわからないので、チャレンジしていくことが大切」と井上さん。4月から新PDとして新しい研究機関での新たな挑戦が始まります。
「あきらめないで、とにかく応募しましょう」と川崎先生。4月からは北大を離れて専任講師となられます。
「あきらめないで、とにかく応募しましょう」と川崎先生。4月からは北大を離れて専任講師となられます。

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コメンテーターの小杉先生・近藤 浩之先生・近藤 智彦先生(左から)
「自分の研究をアピールすることだけを考えるのではなく、よい機会ですので、自分の研究の社会性や可能性・発展性をじっくりと考えてほしい。」(小杉 康先生)
「自分で読んでも、これが通らないならどんな申請書が通るんだ、と思わせるようなものを書けば必ず通るので、自信を持って書いてください。」(近藤 浩之先生)
「自分の専門の周辺分野の人など、いろんな人にアドバイスをもらってください。」(近藤 智彦先生)