18回北大人文学カフェ「怒るサル、拗ねるウマ、悩むワタシ。」開催されました

7月16日(土)紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第18回北大人文学カフェが開催されました。今回のテーマは動物心理学。「怒るサル、拗ねるウマ、悩むワタシ」と題して、話し手の瀧本 彩加先生(文学研究科・行動システム科学講座)が、これまでご自身が取り組まれてきた実験を含む近年の研究成果から明らかになった動物たちの個性豊かなこころについて、お話されました。当日は80人近い方にご来場いただき、ヒトを含む動物のこころとは、そして私たちヒトのこころにはどのような個性があるのかについて、参加者の方々とともに考える場となりました。暑い中、お越しいただいた皆様に御礼申し上げます。

話し手の瀧本彩加先生。昨年4月に北大文学研究科の教員として札幌へ。北大赴任後はウマの研究をメインに展開されています。
話し手の瀧本 彩加先生。昨年4月に北大文学研究科の教員として札幌へ。北大赴任後はウマの研究をメインに展開されています。

第1部では、動物心理学で扱うこころの中でも、他者との関係から育まれる「感情」と「社会的知性」を取り上げ、私たちが普段あまりふれることのない動物心理学の実験をわかりやすく説明されました。その実験から明らかになってきたのは、彼らは相手と自分の置かれた状況をしっかり見て自分の行動を変えたり、感情をあらわにしたり、相手を思いやるやさしいこころを見せたりするのだという事実でした。ファシリテーターの立澤史郎先生(文学研究科・地域システム科学講座)との楽しいやり取りもあり、フロアにも終始笑顔が見られました。

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ファシリテーターの立澤先生(左)。ご自身はシカの生態学がご専門です。

第2部は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、瀧本先生が回答するQ&Aコーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただいたもので、それらに瀧本先生が順に回答されました。質問は、サルなどの哺乳類だけでなくサカナの認知能力にまでおよび、最後は、瀧本先生が次の課題として関心を寄せる異種間、特にヒトと他の動物との「コミュニケーション」(社会的シグナルの送受信)ついてお話がありました。

瀧本ゼミの学生さんが会場から寄せられた質問カードをテーマごとに分類します。質問を熱心に読まれる瀧本先生の姿も。
瀧本ゼミの学生さんが会場から寄せられた質問カードをテーマごとに分類します。質問を熱心に読まれる瀧本先生の姿も。

大盛況だった第18回北大人文学カフェ。動物のこころの解明を通じて、ヒトらしさとは何かを改めて考えることができた1日でした。

会場の様子
会場の様子