〈特集図書展示No.27〉文学院 メンバー著書紹介

書香の森・特集展示の更新を行いました。
今回は昨年秋以降、文学院・文学研究院のメンバーに加わった教員の著書を紹介します。

展示図書リスト

  • 〈沈黙〉の自伝的民族誌(オートエスノグラフィー): サイレント・アイヌの痛みと救済の物語
    石原 真衣 著 北海道大学出版会 2020年)
    〈教員コメント〉歴史にも現在にも存在しない透明人間の「私」が言葉を紡ぐ。オートエスノグラフィーとして日本で初めて刊行された本。本書の刊行がきっかけとなり、「私」の〈沈黙〉はたくさんの場所に波及し、架橋し続けている。
  • アイヌからみた北海道150年
    石原 真衣 編著 北海道大学出版会 2021年)
    〈教員コメント〉アイヌにとって、「北海道150年」という時間はどのようなものだったのか。1枚岩的、あるいは多数派に無害な文化的側面のみが注目される中で、様々なアイヌたちが言葉を紡ぐ。北海道に住む全ての人に読んでほしい本。
  • 記号化される先住民/女性/子ども
    石原 真衣 編著 青土社 2022年)
    〈教員コメント〉ダイバーシティ推進の時代に、必要な心構えとはなにか。マイノリティをコスメティックに記号化することで不可視化されてしまう暴力とはどのようなものかについて、気鋭の論者が重要な視点を提示している本。

  • 日本人と中国故事: 変奏する知の世界
    (森田 貴之・小山 順子・蔦 清行 編 勉誠出版 2018年)
    〈教員コメント〉日本の文藝は、中国の故事を、多種多様に受容してきました。その影響について、さまざまな時代やジャンルを、多くの研究者が、それぞれの角度から論じた論文集です。蔦は中世後期の注釈書である抄物を取り上げました。
  • ウクライナを知るための65章 : エリア・スタディーズ169
    服部 倫卓・原田 義也 編 明石書店 2018年)
    2022年2月にロシアの侵略を受け、国際政治の焦点となったウクライナ。本書は、ウクライナの歴史・文化・政治・経済を概説したものであり、侵攻前の情報ではあるが、紛争の背景を知るための入門書としてお勧めしたい。
  • 足利将軍家の政治秩序と寺院
    髙鳥 廉 著 吉川弘文館 2022年)
    室町時代史を足利将軍家の視点から論じたもの。将軍家の家長である室町殿だけに注目するのではなく、親族や将軍家関連寺院にも目配りすることで、足利将軍家像をより豊かにすることを目指した本です。