プロフィール
- 研究内容
ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とする旧ソ連諸国の経済・政治状況
- 研究分野
- スラブ・ユーラシア経済論
- キーワード
- ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、産業、地域
- 文学院 担当専攻/講座/研究室
- 人文学専攻/スラブ・ユーラシア学講座/スラブ・ユーラシア学研究室
- 連絡先
研究室: スラブ・ユーラシア研究センター534
TEL: 011-706-2388
FAX: 011-706-4952
Email: hattori*slav.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。- 関連リンク
Lab.letters
「脱帝国」論だけではない
冷徹な地域研究を
1991年に社会主義国のソ連が崩壊し、かつては一枚岩に見えた超大国からウクライナや中央アジア諸国など大小様々な新興独立国が立ち現れてきました。民主主義・市場経済に移行し欧米に接近した国があった一方で、ロシアを含む少なからぬ国が非常に強権的な政治体制へと傾いていき、その結果引きおこされた現在の状況を今、世界が注視しています。
旧ソ連および周辺地域はしばしば「脱帝国」の観点から分析されていますが、果たしてそれだけで語れるのか。同じ対象地域を見つめながら、文学や歴史など様々な分野の研究者と交流できる北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターで、若い皆さんならではの発想を膨らませていってほしいと期待しています。
北海道の酪農家に落ちる影
正しい情報をわかりやすく
ロシア・ウクライナ戦争の影響は、私たちの生活にも確実に暗い影を落としています。その中でも特に北海道では、酪農に必要不可欠な飼料の価格高騰が、酪農家を廃業へと追いこむ要因の一つになっています。ヨーロッパで起きていることは、私たちの暮らしと決して無関係ではないのです。
有事にはフェイクニュースなどもネット上に飛び交います。今どんなことが起きているのかを正しく皆さんに知っていただけるよう、私も一研究者として自分なりに言葉を尽くして様々な場で発信しようとしています。共編著である『ロシア極東・シベリアを知るための70章』(明石書店)のように一般の方に向けた執筆にも、論文同様の力を注いでいます。
2024年7月9日、紀伊國屋書店札幌本店で開催された「北大人文学カフェ」
(聞き手・構成 佐藤優子)
メッセージ
私が研究するロシア・ウクライナ・ベラルーシでは、ここ2~3年で状況が激変しました。従来であれば、ロシアの経済や地域事情を学んで、それを同国との交流や経済関係に活かす道がありましたが、現時点ではそうしたことが困難になり、「何のためにロシアのことを学ぶのか?」ということ自体が問われている状況です。しかし、日本との関係が難しいものになろうと、あるいはそうであるからこそ、ロシアの現実を冷静に見極める努力は必要であり、皆さんと一緒にその研鑽を積んでまいりたいと思います。
研究活動
略歴
在ベラルーシ共和国日本大使館専門調査員、一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS研究所所長などを経て、2022年10月から北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。
主要業績
- 『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れて』岩波書店(2004年)
- 『ベラルーシを知るための50章(エリア・スタディーズ158)』明石書店(2017年、共編著)
- 『ウクライナを知るための65章(エリア・スタディーズ169)』明石書店(2018年、共編著)
所属学会
- ロシア・東欧学会
- 比較経済体制学会
- 日本EU学会
教育活動
授業担当(文学院)
- スラブ・ユーラシア総合研究特殊講義
- スラブ・ユーラシア総合研究特別演習
- スラブ・ユーラシア社会研究特別演習
おすすめの本
- 『黒海地域の国際関係』六鹿茂夫(編)(名古屋大学出版会、2017年)
2022年に戦争にまで至ってしまったロシア・ウクライナ関係の背景を理解するのに有益な一冊。服部も第12章「輸送・商品・エネルギーの経済関係 —ロシアとウクライナの角逐を中心に」を執筆しています。