清行

プロフィール

蔦 清行 准教授 / TSUTA Kiyoyuki
研究内容

過去の日本語と、その日本語の記された資料について研究しています。主な研究対象は、係り結びなど奈良時代の文法と、室町時代に作られた抄物(漢籍についての講義録)などです。

研究分野
国語学、文献学、歴史言語学
キーワード
上代日本語、中世日本語、係り結び、抄物
文学研究院 所属部門/分野/研究室
人文学部門/言語科学分野/言語科学研究室
文学院 担当専攻/講座/研究室
人文学専攻/言語科学講座/言語科学研究室
文学部 担当コース/研究室
人文科学科/言語・文学コース/言語科学研究室
連絡先

研究室: 311
Email: tsuta.kiyoyuki*let.hokudai.ac.jp
(*を半角@に変えて入力ください)

研究生を希望される外国人留学生(日本在住者をふくむ)は、「研究生出願要項【外国人留学生】」に従って、定められた期間に応募してください。教員に直接メールを送信しても返信はありません。
関連リンク

Lab.letters

Lab.letters 研究室からのメッセージ
言語科学研究室蔦 清行 准教授

日本語アップデートの原点、
古典で磨く情報読解力

かつて日本人はどんな言葉を、どんな発音で話していたのでしょうか。私の専門である中世・室町時代では、それらを知る口語体記載の資料として狂言の台本とイエズス会などのキリシタンが残した日本語辞典資料、そして古典中国語の資料を解説した抄物を使っています。何事も次々とアップデートされていく現代で、国を超え、時代を超えて先人たちから繋いできた文献と向き合う行為は、学生時代にこそ経験しておきたい学びの時間です。文字の背後に集積された情報を読み取る力が鍛えられ、現在のフェイク・ニュースを「見る目」も磨かれていくことでしょう。古典という深い森に眠る貴重な日本語研究の資源が、皆さんに掘り起こされるときを待っています。

江戸時代中頃に出版された『春秋左子伝』。随所にある赤いマークは「不審紙」。現代の付箋にあたり、当時の読者の思考の跡を辿ることができる。
15世紀に来日した宣教師たちが布教のために作成した日本語・ポルトガル語辞典の原典。

コピペできない紙資料と
研究仲間を探索の友に

現在は古典資料のデジタル化が進み、北海道にいながらにして必要とする資料の入手が容易になりました。その一方で年々希少性が増す紙資料でなければ得られない情報が多いところも、抄物研究のマニアックな面白さです。墨文字で記された古典資料の基本的な取り扱い方なども、実感を持って習得できるように伝えていきたいと考えています。北海道大学は中国文学研究や日本と中国の関連性に着目した文献研究も進んでおり、抄物研究の情報を気軽に交換しあえる環境が整っています。一度途絶えてしまったらそう簡単に復活できない類の研究は、分野を問わず仲間の存在が心強いもの。紙資料と仲間たちが古典の森を探索する旅の友になってくれます。

(聞き手・構成 佐藤優子)

メッセージ

私の専門は「国語学」です。この名前には色々と複雑ないきさつがあるのですが、今はそれは省略して、ざっくり私が研究している対象を言うと、昔の日本語と、昔の日本語の書かれた資料、ということになります。

昔の日本語を研究する、というと、多くの人は、『万葉集』とか『源氏物語』とか『平家物語』を資料にするんでしょう、と思うのではないでしょうか。確かにこれらの資料も重要ですが、昔の日本語、特に話し言葉を研究するための資料は、それらだけではありません。僧侶たちが学んで理解するために様々な記号を書き込んだお経(訓点資料)ですとか、古典作品を講師が聴衆に講義した講義録(抄物)ですとか、さまざまな言語資料が存在しています。

言語資料は、誰が、どのように作ったのかが大事な要素ですが、これらの資料の中には、それがよく分かっていないものもあります。私が進めているのは、それらを誰もが納得して研究に使えるようにする、いわばインフラ整備のようなことです。昔の日本語の研究自体が、言語科学のみならず歴史学や古典文学研究のインフラ整備という側面をも持つものですが、資料研究は、さらにその基礎を整える意味を持つ研究であると、そのように考えています。

私自身のこれまでの研究対象は、上代(奈良時代)の言葉と、中世後期(室町〜戦国〜安土桃山時代)の資料を中心としてきました。ですが時代やジャンルの区分は、人間が便宜的に作ったもので、全ての言語現象はどこかでつながっています。日本語と日本語資料に興味のある方はどなたでも歓迎します。ともに学んでいきましょう。

研究活動

略歴

北海道小樽潮陵高等学校卒業(1995年)。京都大学文学部卒業(1999年)。京都大学大学院文学研究科修了(2007年)。博士(文学)。大阪外国語大学日本語日本文化教育センター専任講師(2007年)、大阪大学日本語日本文化教育センター専任講師(2007〜09年)・准教授(2009年〜22年)を経て現職。

主要業績

  • 『日本人と中国故事:変奏する知の世界』共編(勉誠出版、2018)(ISBN:9784585226895)
  • 「『毘沙門堂本古今集註』声点の文献学的検討」(人間文化研究機構国文学研究資料館編『中世古今和歌集注釈の世界:毘沙門堂本古今集注をひもとく』勉誠出版、2018年)(ISBN:9784585291589)
  • 「両足院所蔵『黄氏口義』の構成と成立について」(『訓点語と訓点資料135、pp.19-40、2015年)
  • 「連体形結びの役割:カとコソの場合」(『国語国文』84(4)、pp.214-240、2015年)
  • 「コソ・已然形研究史抄」(『日本語・日本文化』37、pp.35-57、2011年)
  • 「「恵美々恵末須毛」本文批判」(『国語国文』79(2)、pp.1-15、2010年)

所属学会

  • 訓点語学会
  • 日本語学会
  • 万葉学会
  • 東方学会

教育活動

授業担当(文学部)

  • 国語学
  • 国語学演習
  • 国語学概論

授業担当(文学院)

  • 日本語学特殊講義
  • 日本語学特別演習

授業担当(全学教育)

  • 思索と言語

おすすめの本

  • 『古語雑談』佐竹昭広(岩波書店、1986年)
    「古典学ノ古典」トシテ知ラレル名著ゾ。イハユル文学的研究ト語学的研究トヲ自在ニ往還シ、古典研究ノ面白サヲ伝ヘテ余ストコロナイゾ。