専門研究員の今井史さんが16回日本認知心理学会優秀発表賞を受賞

文学研究院専門研究員の今井 史さんが、「第16回日本認知心理学会優秀発表賞 新規性部門」に選出されました。5月25日-26日に開催された第17回日本認知心理学会大会中の総会で授賞式が行われました。

日本認知心理学会優秀発表賞は、日本認知心理学会年次大会において優れた発表した研究者を表彰するもので、認知心理学にかかわる会員の研究を奨励し、この分野の研究の発展に寄与することを目的として設けられています。

受賞対象となった発表は以下の通りです。

  • 研究発表者
    今井史1,佐藤智穂2,互恵子2,河原純一郎1
    (1. 北海道大学、2. 資生堂グローバルイノベーションセンター)
  • 研究題目
    自己同一化された二次元キャラクターに対する視線シフト
  • 研究概要
    人は自分の顔を正面から見る際、顔の向かって右側の領域をよく見る傾向があると考えられる。本研究では、このような右側への視線の偏りが、アプリにおける自分のキャラクターのように自己同一視した対象の観察時にも生じるかを検討した。実験において参加者は、二次元キャラクターの顔を5つ提示され、そのなかから1つを自分のキャラクターの顔として選び(選択課題)、その後あらためて各顔を観察した(観察課題)。両課題中の参加者の視線を計測し、分析したところ、参加者が選んだ顔つまり自己同一視された顔では観察課題時に視線がキャラクターの顔の右側へ有意に偏ったが、選ばなかった顔では偏りがみられなかった。さらに、選択課題時にはどちらの顔でも視線の偏りはみられなかった。以上の結果から、キャラクターの顔に対しても選択し、自己同一視することで右側へ視線が偏るものと考えられた。

本件に関するお問い合わせ
河原 純一郎(心理システム科学講座・准教授)
Email: jkawa*let.hokudai.ac.jp(*を半角@に変えて入力ください)