ゼミでの切磋琢磨が、来客者に喜ばれるイベント企画の土台となっています

プロフィール

朝妻 千智 さん(NHK高松放送局 企画編成部 勤務)
北海道恵庭市出身。北海道立北広島高校を卒業後、1年間予備校に通い、北海道大学文学部に入学。文学部ではヨーロッパ・アメリカ文化論コースの芸術学講座にて、音楽や美術理論について学ぶ。パリのオペラ座に関する卒業論文を執筆し、2012年3月卒業。
2012年4月よりNHKに入局し、愛媛県の松山放送局を経て、現在香川県の高松放送局・企画編成部に勤務。

北大文学部を選んだ理由

英語の勉強ができればいいかな、、という漠然とした思いから、北海道にいることだし、北大を目指そう!と思ったのが始まりです。北大に合格するには学力が足りなかったので、浪人して猛勉強しました。浪人している時は、北大のキャンパスまでよく散歩にきて、この広いキャンパスで大学生活を謳歌してやる!!と思いを強くしたことを覚えています。
芸術学講座を選んだのは、第3外国語を一緒に履修していた先輩に誘われ、研究室に顔を出したのがきっかけです。楽しそうな先生や先輩方がたくさんいて、自分もここで好きな音楽について研究できたら楽しそうだな…と感じ、そのまま芸術学講座に決めていました。

文学部ではどんな研究を

西洋美術・日本美術・美学・現代芸術などの歴史や考え方について学んでいました。なぜその作品が出来上がったのか、どんな意味を持っているのか、その背景も紐解いていくのですが、1つの作品から作家の背景にとどまらず、政治的背景や文化的土壌などが読み取れるので学んでいても本当に興味深かったのを覚えています。またゼミ(研究室で実施される演習)では、実際に展覧会に行ってレポートを書く授業もありました。近代美術館や芸術の森、また小樽に行ったりと、今思うとミニ遠足みたいで良い思い出になっています。卒業論文ではパリのオペラ座について考察しましたが、論文には本当に苦戦しました。

北大文学部に行ってよかったですか

よかったです!ゼミで展覧会に通っているうちに、自分から他の美術館にも足をのばすことが増え、そこで絵から元気や勇気をもらうことがありました。その経験から、芸術は人を元気にすることができるのではないか、人の暮らしをさらに豊かにしてくれるのではないか、もっと多くの人に芸術の魅力を伝えたいと思うようになりました。それで、テレビや新聞などの展覧会業務もあり、文化を広く伝えることができるマスコミを志望し、NHKに内定をもらうことができました。わたしが今の職場で働いているのは、ゼミのおかげです。
また、北大は入学時にクラス分けがあり、入学直後のクラスマッチや学祭にクラスで団結して取り組むことができるので、その時に仲良くなったメンバーとは、今でも近況報告をしあったりしています。そのメンバーと出会えたことも、北大に行って本当によかったなと思うことの一つです。

在学中、大変だったことは

芸術学講座のゼミでは、半年に一度自分の研究を発表しなければならず、準備が大変でした。いつも先生や先輩からアドバイスをもらいながらぎりぎり乗り越える(乗り越えられていたのか?)というサイクルを繰り返していたので、もっとちゃんと研究していればよかったのに…と今でも思います。特に卒論は、研究室に同期のみんなで籠って励まし合いながら書いていました。周りの同期の仲間はとても優秀で、ゼミでも何度もフォローしてもらったり、、、最後までゼミでがんばれたのも、同期のきずなのおかげだと思っています。あの頃、将来何か一緒に展覧会の仕事ができればいいねと話していましたが、いつの日にか叶えばいいなと思っています。
また、わたしは教職課程と学芸員課程、留学生との授業も履修していたので、授業やレポートで忙しかったことを覚えています。実は教育実習にも行きましたが、大学中にとれる資格はとっておこうという欲張り思考で様々な授業をとっていたことで、結果的に視野を広げることができたと感じています。

卒業後→現在までの道のり

今も展覧会はよくいきます。NHKの同期が担当した展覧会に行った際にフォトブースで撮影した1枚です。

卒業後、NHKに入局し、愛媛県のNHK松山放送局の広報・事業部に配属されました。自分が希望していたイベントの担当として2年間見よう見まねで働いた後、転勤があり、現在は高松放送局でイベントと放送関連予算の担当をしています。

 

現在のお仕事の内容

実施イベントの記念撮影スペースで、自分で記念撮影してみました。

放送と関連するイベントがほとんどですが、NHKのど自慢の運営や、NHK全国学校音楽コンクールの運営、天皇杯サッカーの運営など NHK が企画するイベントの運営や、自分でイベントを新たに企画したりすることもあります。四国では展覧会業務はあまりないのですが、準備がどんなに大変でもお客さんが「楽しかったよ、ありがとう」と言って帰っていくのを見ると疲れが吹っ飛びます。

大学で学んだことは今のお仕事に役に立っていますか  

はい。わたしはゼミで学んだことが今の仕事の志望へとつながっているので、役立っていることは言うまでもないのですが、厳しかったゼミで学んだプレゼンは、今でも多くの人の前で説明するのに役立っていると感じます。

今後の目標・夢

絵や音楽という文化をより多くの人に伝えることが夢なので、これからも楽しいイベントを企画していければと思います。特に東京オリンピックを控える今、日本文化の発信が求められています。芸術が持つ力で多くの人を元気にできますように…!

後輩のみなさんへのメッセージ

わたしは、周りの先生や先輩、そして同期の仲間に恵まれたおかげで、今ここにいます。北大にはすばらしいメンバーがいます。そして、夢を見つけるための環境も整っていると思います。まだ何がしたいのかよくわからない人もいると思います。わたしも周りの友達が志望大学を決めて行く中、最後まで将来の夢が漠然としていて、これで大丈夫なのか焦ったことがありました。しかし大学に入って自分の好きなことを学んでいく中で、自分の夢を見つけることができました。みなさんも北大文学部で勉強してみませんか?きっと自分の夢を見つけることができると思います。どうかみなさんの大学生活が実り多いものとなりますように…!

(2017年9月取材)