卒業論文への取り組み: Case 1

卒論テーマ「地域社会におけるホームレス支援の国際比較研究 ―札幌とリトアニア・ヴィリニュスを事例に―」

庄井 友輝 さん
人間システム科学コース(平成23年度卒業)

テーマを決める

大学2年のときに新聞社の学生記者になり、「北海道の労働と福祉を考える会」の記事を書いた縁で卒論テーマもそのまま札幌のホームレス支援に決定。3年で履修した宮内泰介先生の野外調査法実習が実質的な“プレ卒論”ゼミにあたるため、早めに執筆に取り組めました。

情報を集める

実はこのプレ卒論で大きな悔いを残しまして。調査協力者の話をもとに感想は書けてもそこから何を導き出すのか「考察」まではたどりつけなかった。この悔しさをバネに次こそ突き詰めて考えた論文を書こうと、4年の5月頭に就活を終えてからは卒論に集中。リトアニアにいた知人を頼りに4年の8月下旬から現地の施設などを回る10日間のフィールド調査をしました。調査の出発日が来るまでは毎日2時間英会話のシャドウイングをこなしたり、電子ジャーナルで海外論文を読み込んだり。現地でも自分で質問できれば、得られる情報の深さが変わります。

書き上げる

帰国後は集めた情報の多さとそれらの翻訳に苦労しましたが、宮内先生はじめ講座の先生方から的確なアドバイスをいただいたおかげで、無事提出できました。ただ完成後も新たに湧いた疑問に悩むこともあり、最終章を「おわりに」ではなく「結論と課題」にしたのは、社会に出てからもこのテーマについて考えていきたいという思いをこめて。社会人の視野で見つめるとまた新たな考察が生まれそうです。

指導教員からの評価
地域システム科学講座 宮内泰介 教授

「海外調査を含めかけた時間や確実な調査手法、手堅い分析は修士論文に匹敵するレベル。持てる力を全て注いだことが伝わる力作です。」