卒業論文への取り組み: Case 3

卒論テーマ「自己のための異時点間選択と他者のための異時点間選択との関係」についての心理物理学的分析

徳田 真佑 さん
人間システム科学コース(平成26年度卒業)

テーマを決める

“この世界に潜む社会科学的な法則を見つけたい”という行動経済学の高橋泰城先生に感銘を受け、指導教員を仰ぐことに。目先の利益と将来の利益、他者の代わりに選択するときに人はどちらを選ぶのか。社会的にも重要なテーマである「社会的異時点間選択」について掘り下げていきました。

情報を集める

3年の4月から先行研究を勉強し、11月に質問紙を自作し、北大生24人に回答してもらいました。その後はデータ解析と、引き続き先行研究の調査に没頭。行動経済学は新しい分野なので、「これを読めばすべてが書いてある」という決定的な資料がありません。先行研究を整理することで、これまでの流れを把握すると同時に自分の位置づけも見えてきました。一番参考になったのは、やはり高橋先生の先行研究です。異時点間選択とは何か、という言葉の定義もしっかりとした土台を築かれているので、後に続く僕たちもブレずに研究を進められました。

書き上げる

4年の5月に大学院入試を受け、6月の教育実習を終えてから執筆は追い込みに。先生から「検証しきれなかったアイデアは今後議論していけばいい」と助言をいただき、思いきって推敲していきました。おこがましいようですが、自分では納得の出来。考え出したら止まらなくなるような好きなテーマとその面白さを共有できる先生に出会えたおかげで、充実した卒論執筆の時間を持つことができました。

指導教員からの評価
行動システム科学講座 高橋 泰城 准教授

行動経済学の中でも世界的な水準の研究テーマを卒業論文により解明した渾身の力作です。今後さらなる研究の発展が期待されます。