史料に描かれていない「謎」魅かれて歴史学へ

歴史学・人類学コース3年生 亀井 鼓太郎 さん

歴史学を専攻するきっかけは、「謎」です。日本史学では主に史料と呼ばれる文献に依拠して過去の状況を推察します。しかし、史料に書かれていることは長い歴史の中のごく一部でしかありません。そうすると、描かれていない部分は自然と「謎」となるわけです。その未知な部分に魅かれて歴史学・人類学コースを選択しました。

日本史学は当然、日本で起こったことを研究します。そして、その大部分は日本人が主役です。時が経っているとはいえ、古くからこの地で生活をし、文化を育んできた人びとのことですから、どこか感覚的に繋がったものがあると思います。そうして、「自分だったらどうだろう」と歴史の中に自分自身を投影して想像を膨らますことができる点が、日本史学の魅力のひとつです。僕自身の関心は今、日本史学の中でも中世の天文事情に向いています。近年は新しい技術の発展が目覚ましいですが、それらを支えているのは人類の長い歴史です。前ばかりを見つめるのではなく、たどってきた道のりを振り返り、見つめ直すのも楽しいと思います。その歴史の深さ、面白さをぜひ一緒に味わいましょう。

(2023年5月取材時に撮影)