【特別講義】「プレゼンテーションZen」開催されました

講師:Garr Reynolds(京都外国語大学 教授)

日時:2019年2月1日(金)

本特別講義では、プレゼンテーションの実施・指導における第一人者であるガー・レイノルズ氏を講師としてお迎えし、プレゼンテーション・スキル向上のために必要な実践的な知識とテクニックを学びました。雪の降る中、多くの部局から留学生や外国人研究者、教職員を含む100名近い参加者がありました。

研究の成果をいかにわかりやすく聴衆に伝えるかやビジネスの現場における提案、あるいは採用面接でのPRなど、プレゼンテーション技術は学生でも社会人でも、就職先が研究機関でも民間企業でも、今や必須のスキルです。

(ガー・レイノルズ講師へ藤田副研究科長より文学研究科オリジナル記念品の手ぬぐいを贈呈)

講演に先立ち、藤田副研究科長から本講義の意義と来年度から開講される文系6部局の大学院生向け「教養深化プログラム」についての説明がありました。

(飯田先生の司会で藤田副研究科長より本講義の意義と教養深化プログラムの説明)

(Visual Communicationスライドの画像)

説明に続いて、レイノルズ氏の紹介がありました。

レイノルズ氏は米オレゴン州出身で1989年に初来日以来20年以上日本に在住し、日本文化や哲学を研究し続けるプレゼンテーションの実施および指導における世界的な第一人者です。スティーブ・ジョブズ流のプレゼンに日本文化「禅」を融合させた手法は、“世界で最もシンプル”なメソッドとして名高く、企業向けの研修やコンサルティングのほか、世界中の企業や大学に招かれて、セミナーを行うなど国内外で活躍されています。

レイノルズ氏の講義は、多くのスライドを用いてジョークもおりまぜながら小気味よいテンポで進められ、スライドの事例には新幹線や駅弁、石庭、日本の少子化問題や食料自給率の低下など日本人や日本に生活する外国人にとって身近な題材が多用されていました。さまざまな情報が煩雑にレイアウトされたスライドが、次のスライドでは伝えたい情報がフォーカスされた見る人を惹きつけるスライドへと変貌する例が次々と紹介され、シンプルで分かりやすいスライドに参加者の皆さんは一気にレイノルズ氏のトークに引き込まれました。途中、何度かにわたって周囲の人と協力して数分の作業をする課題が与えられ、グループワークを行うことで講義内容の理解を深める実践もありました。

プレゼンテーションのスライドを作成するためのコツとして、Make simple is not simpleや、Contrast difference lead the eye、一見シンプルに見えても色や形の統一性がないことがノイズになる、空白部分をおそれずにEmpty Spaceを利用しpicture superiorityを有効活用すること、そして画像・動画は予想外unexpectedness、三分割法、バランスが重要であること、などが例として紹介されました。

最後に、常に「改善」していくことが大事であり“be like the penguin”というアドバイスで講演は締めくくられました。

(会場内からは多数の質問がありました)

講演後、レイノルズ講師は質問し足りない学生に囲まれ1時間ほど談笑されました。

(終了後も熱心に質問する学生)

吹雪で天候も悪い中、皆さまのご参加と積極的な講義へのご参加ありがとうございました。