「北大文学研究科のフィールドワーク」(第14回北大人文学カフェ拡大版)開催されました

8月6日(水)、札幌駅前通地下歩行空間・北3条交差点広場にて、「北大文学研究科のフィールドワーク」をキーワードに、第14回北大人文学カフェと、関連する企画展示を開催しました。今回は、札幌国際芸術祭2014の連携企画として、第1部をフィールドワークに関する企画展示、第2部をフィールドワークをテーマにした人文学カフェという2部構成で行いました。

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第1部企画展示「研究者は世界を駆ける」では、世界中を駆け巡り現地調査(フィールドワーク)を行っている北大文学研究科の6名の研究者が、現地で収集した資料・芸術品や、調査に欠かせないフィールドワークの機器・機材の展示をおこないました。「縄文」「動物」「北方」「宗教」の4テーマ別にブースを設け、それぞれ個性的な展示を行いました。

各ブースでは、研究者や大学院生が来場者と直接対話しながら展示の説明をしました。来場者は、日常生活ではほとんど目にすることのない展示物に触れたり、使ってみたりしながら、研究者との対話を楽しんでいました。バーチャル遺跡探検ツアーなど、体験型の展示が多かったので、多くの来場者は、時間をかけてゆっくり見て回っていました。夏休みの親子連れ、夏期講習や部活帰りの高校生、お昼休みのビジネスマン、芸術祭の展示を見がてら立ち寄った方、観光客など、さまざまな方々にご来場いただきました。

〈縄文の世界〉縄文エコミュージアムへようこそ

北方文化論講座の考古学の調査・研究に関する展示。北海道噴火湾北岸の人類遺跡発掘調査、縄文エコミュージアム構想に関する紹介パネル、発掘に用いる道具などの展示などがありました。大型ビジョンにてバーチャル遺跡探検を体験できる「遺跡ウォークスルー」が人気でした。

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〈動物の世界〉人と野生生物のかかわりを探る

地域システム科学講座による野生動物保全生態学に関する展示。シカの頭骨や電波発信機、アライグマ捕獲用の箱ワナ、野生動物と人との関わりに関する研究紹介パネルなどの展示がありました。手作りの巣箱型箱ワナの仕掛けを好奇心いっぱいの表情で試してみる人、「これ、ほんとに本物の骨なの?」と尋ねる子どもたちで賑わいました。

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〈北方の世界〉北方スタイル〜シベリア先住民アートの世界〜

北方研究教育センターによる、フィールドのかおりあふれる北方先住民アートの紹介。毛皮やビーズを用いたアクセサリー・小物など、さまざまな民芸品と、それらが作られたシベリア地域の説明パネルの展示がありました。トナカイやアザラシの毛皮の手触りを確かめてみたり、マラカスを鳴らしてみたりする人たちもいました。

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〈宗教の世界〉世界の巡礼グッズ

西アジアを中心に、世界中の聖地や巡礼地をめぐって調査・研究している東洋史学講座の守川先生が、各地で集めた巡礼グッズやおまもりなどを展示しました。まるでお店やさんのような豊富な品ぞろえに、来場者も興味津々で、守川先生に「これは何?」と聞くうちに、展示物だけではなくその地域の文化や歴史についても会話が発展していました。

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第2部の第14回北大人文学カフェでは「南の島から世界を描く フィールドワーク的思考のススメ」と題して、話し手の宮内 泰介さん(文学研究科、地域システム科学講座)がフィールドワークを切り口に、現地調査のおもしろさと難しさについて、また南の島のフィールドワークから見えてくる世界のしくみについて会場の皆さんと語り合いました。

カフェの前半は、話し手のトークを中心に進行しました。南太平洋にあるソロモン諸島の小さな村を定点観測することにより、世界を考えていくことができるという調査の実例についてお話がありました。また、実際にどのようにフィールドワークを行っているのか、調査にあたって重要なことは何か、得られたデータはどのように整理するのかなど、フィールドワークの手法について解説もありました。調査地の風景を盛り込んだスライドと会場の皆さんの熱気で、会場はさながら南の島のような熱いフィールドとなりました。

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休憩時間は、質問用紙に記入する人や、宮内先生の著書を手に取る人、直接先生と話をする人などもいました。記入された質問用紙を、テーマ別に分類しているのは、地域システム科学講座の大学院生です。

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カフェの後半は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、宮内先生が回答していく対話コーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただきました。これをテーマごとに紹介し、宮内先生が回答していきました。会場から直接質問も寄せられました。

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この人文学カフェのようすは秋頃、北海道大学のオープンコースウェアにて公開される予定です。