〈Hokkaidoサマーインスティテュート2018〉 “Dynamic Epistemic Logic and its Applications” /「動的認識論理とその応用」開催されました

8月27日~31日の5日間、Hokkaido Summer Institute (HSI) 2018 / 北海道サマーインスティテュート2018 開講科目のひとつ、”Dynamic Epistemic Logic and its Applications”/ 「動的認識論理とその応用」が開催されました。

この科目は、論理学のアドヴァンスト科目として、近年著しい発展を見せている「動的認識論理」をテーマとして開講され、今年で3年目となります。論理学の基礎を修得した大学院生向け科目として、海外からお招きした先生方と文学研究科の先生方とのコラボレーションにより少人数で行われました。講師陣との距離も近く、受講生たちにとって密度の濃い5日間となりました。

ますます複雑化する現代社会において、コミュニケーションのありかたも複雑化しています。この科目では、論理的に話すために必要となる、互いの知識の動的な変化を推論するためのより高い推論を扱う動的認識論理について、具体的事例を用いた講義を中心に進められました。受講生たちはこの授業で、多様な具体的事例を扱いながら、複雑化したコミュニケーションとその思考のプロセスについて、動的認識論理を使って表現し、応用して用いることを学びました。

今年のメイン講師は、オークランド大学のジェレミー・セリグマン先生。日常に起こりうる具体的な事例を使い、時間の経過や当事者が持つ知識と信念の変容などによって可能性が変化していく過程を丁寧に説明し、理解を深めていきました。

サマーインスティテュートで開講された二つの論理学科目の責任教員である山田 友幸先生(文学研究科・哲学講座)の講義も行われました。

ジェレミー・セリグマン先生(オークランド大学)
熱心に聞き入る受講生たち
スライドを使って、様々な事例から説明していきます
山田 友幸先生(文学研究科・哲学講座)

最終日には、今年度も論理学や形式哲学(formal philosophy)の分野で世界の最も著名な研究者のひとりに数えられるヨハン・ファン・ベンタム先生による遠隔講義が行われ、世界のトップランナーの授業をライブで受ける貴重な機会が提供されました。

ヨハン・ファン・ベンタム教授による遠隔講義の様子
ファン・ベンタム先生の講義に、受講生だけでなく、講師陣も熱心に聞き入ります
質問はメールでも受け付ける、とファン・ベンタム先生

論理学という学問領域にとどまらず、実社会で複雑化した様々な状況を的確に分析し、対処する力を身につけるHSI科目「動的認識論理とその応用」、来年も新たなメイン講師をお迎えして、引き続き開講予定です。