〈Hokkaido Summer Institute 2018〉「文化心理学の最前線2018」開催されました/Cultural Psychology, Frontiers in Cultural Psychology 2018 was held

7月11日〜13日の3日間、Hokkaido Summer Institute (HSI) 2018 / 北海道サマーインスティテュート2018 開講科目のひとつ、Cultural Psychology, Frontiers in Cultural Psychology 2018(文化心理学の最前線2018)が開催されました。

学内外より24名が参加しました。

このプログラムは、カナダ・アルバータ大学から文化心理学のトップランナー増田 貴彦先生をお招きして、文学研究科行動システム科学講座の結城 雅樹先生と協働しておこなう、文化心理学の最前線が学べる集中講義で、今年で開講4年目になります。

多くの実例とジョークを交えて講義する増田先生

北米文化圏の人びとの行動様式が、日本人のそれとどのように異なり、そうした違いの背景には、どのようなこころのメカニズムがはたらいているのか、また、そうした違いを克服し、異文化コミュニケーション技術を磨くにはどのような能力が必要なのかを、数々の事例とディスカッションを交えて、最新の知見を学べる密度の濃い授業です。

この授業には、ウィスコンシン大学グリーンベイ校の先崎 沙和先生およびアルバータ大学で増田先生の指導を受けている学生2名が、ティーチングアシスタントとして参加しました。3名は、受講生のグループ・ディスカッションに加わって、議論のファシリテーションを行い、学生達のプレゼンテーション準備のサポートを行いました。

今年の講義の目玉企画は学生さん達のプレゼンテーション演習です。日本と海外のCMを比較して、それぞれの違いについて紹介し、それを文化心理学的観点から解説するというものです。各グループのユニークなプレゼンテーションに対して、増田先生も予想以上の手応えを感じておられました。

各自で探してきたインターネット上のCM動画をグループで共有し、ディスカッションを深めていきます
ビールのCM。日本のCMは仲間で飲み会のシーン、一方で、アメリカのCMは、賞品を映像と音でリズミカルに効果的に映す。
同じスポーツメーカのCMでも日本と海外は異なる。集団で走る日本と個で戦う欧米。
タバコの危険性を伝える啓発ポスター。カナダは「自分自身の」健康へのリスクを、日本は歩きタバコによる「他の人への」リスクを訴える。
増田先生の研究室出身の先崎先生による、異文化への適応についての講義。
授業外の時間帯は、受講生からの留学相談にも対応され、海外を目指す北大生の背中の後押しをしていただきました。

3日間、15コマという非常にタイトなスケジュールではありましたが、受講生の満足度は高く「たくさんの国から来た学生と議論をかわせて、内容も非常に面白く参加できてよかった」「スケジュールは厳しかったが、参加する価値があった」「先生方やスタッフの皆さんがとても親切だった」といった感想が寄せられました。