11月16日(水)、北海道札幌東高等学校図書館にて、佐々木 亨教授が「『文化を展示する』とは何か」と題して読書会を開催しました。この読書会は、文学研究科の広報委員会が文学研究科の教育研究の一部を紹介する目的で、札幌東高校関係者のご協力のもと企画されました。
今回の読書会でとりあげた本は、文学研究科ライブラリの『空間に遊ぶ―人文科学の空間論』です。この本の中で佐々木先生は「『文化を展示する』とは何か」をテーマに執筆されています。読書会では、佐々木先生の専門である博物館学について、講義、ワークショップを通して学び考え、発表する機会をもちました。
読書会は3部構成で進行しました。
第1部は佐々木先生の講義で、東京六本木の21_21 Design Sightで開催された「土木展」と、この夏リニューアルオープンした北海道大学総合博物館の中の「文学部展示」の例を挙げながら、展示する側が伝えたいメッセージとそれを表現する展示資料や演出について解説されました。
第2部は講義を聞いた上で、実際に展示のシナリオを作ってみるという、ワークショップ形式のグループワークを行いました。今回の展示テーマは「スマホ」。身近な題材でありながら、展示で伝えたいメッセージには、さまざまな切り口が考えられます。グループワークのサポートには、佐々木先生とともに、文学研究科の大学院生の相良真緒さんも入り、生徒さんの質問に答えたり、アイデアをまとめていく際の助言をしたりしました。
第3部は、グループごとにまとめた意見を発表しました。視点の異なるさまざまな発表があり、それぞれについて、佐々木先生からコメントがありました。
全グループの発表の後は、グループ審査タイムです。自分たち以外のグループでよかったと思う発表に赤丸シールを貼っていきます。
いつもの授業とはひと味違ったグループワークの楽しさ、制限時間内にまとめる難しさ、同じテーマであっても、できあがった発表がグループによって異なるおもしろさ、博物館学という学問への興味など、生徒さんたちからさまざまな感想をいただきました。
読書会終了後は、広報委員長の藤田 健教授による進学相談会が開催されました。文学部で学べる研究分野、卒業後の進路など全体説明の後、個別相談にも応じました。