「プラス1ピース読書会 Vol. 4」開催されました

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12月8日(火)、「書香の森」にて第4回「プラス1ピースの読書会」が開催されました。今回取り上げたのは、竹内 康浩先生(西洋文学講座)の『謎とき「ハックルベリー・フィンの冒険」』です。

『ハックルベリー・フィンの冒険』に残された未解決殺人事件について、なぜマーク・トウェインはこの物語をミステリ小説としなかったのか、なぜ犯人を明かさなかったのかという謎を、「トウェインのトラウマ」「禁止への誘惑」「書かれなかったこと」「散りばめられた伏線」などをキーワードに、竹内先生の軽妙なトークで解き明かされていきました。

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今回のプラス1ピースのテーマは「ルビンの杯」。殺人現場に残されたありとあらゆるものを詳細に書くことによって、「書かれなかったもの=そこからなくなったもの」を浮き上がらせるトウェインの技。それだけではなくトウェインにまつわるさまざまな「ルビン」についての解説がありました。そこに書かれなかったことに意味があるという気づきに会場の皆さんも大きく頷いていました。最後は、この読書会そのものが「ルビン」であり、竹内先生があるものに「書かなかった」ために開催できたというエピソードで締めくくられました。