〈Hokkaido Summer Institute 2023〉「様相論理学の諸相2023(1)/(2)」開催されました

6月12日~16日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2023文学部・文学院開講科目のひとつであるPhilosophy (Lecture): Topics in Modal Logic 2023 (1)/(2)/ 哲学特殊講義:様相論理学の諸相 2023 (1)/(2)が開講されました。哲学倫理学研究室の佐野勝彦准教授と、ノルウェーのベルゲン大学からお迎えしたThomas Ågotnes(トーマス・オーゴートネス)教授が講師を務め、HSI2022に引き続き今年も対面で授業を実施しました。

本科目では、論理学の初歩的な知識とある程度の習熟を前提に、必然性・可能性を扱う様相論理、複数の主体の共有知識や相互的知識を含む知識を扱う認識論理、さらには、その動的変化を扱う動的認識論理を学びます。

Ågotnes教授による講義

初回の講義は講師と受講生の自己紹介から始まり、次いで講義全体について説明がありました。2日目から4日目には、その日最後の1コマでÅgotnes教授から練習問題が出され、受講生が問題を解いて自身の解答について説明し、講師や他の受講生とディスカッションを行うことで課題への理解を深めました。

 
Ågotnes教授と受講生によるディスカッション

受講生は、「他の人が何を知っているかについて自分が知っているということを他の人が知っているということを自分が知っている・・・」といった複雑な相互知識が果たす役割、人の行動や発話による知識や信念の動的変化、世界で成り立つ事実に関する知識と手続きについての知識(know how, ノウハウ)の違いなど、現実の生活にも見出される現象が論理によりどのように解明されるかを学びました。

最終日は2つのグループに分かれて、集中講義で学んだ成果を発表し、講師や他の受講生からの質問に答えました。

グループ1の発表
グループ2の発表

2チームの発表後Ågotnes教授は、両チームともに、「集団知識についての新しい概念(new notion of group knowledge)」について、講義内容に基づいた大変興味深い発表だったと講評しました。その後、期間全体を通しての総括を述べ講義を締めくくりました。

受講生の発表にコメントする佐野准教授
5日間の総括を述べるÅgotnes教授

認識論理、集団知識、マルチエージェントシステム、動的認識論理など、様相論理学について幅広くじっくりと学べる充実した5日間になったようです。