〈Hokkaido Summer Institute 2021〉「侵入生態学原論2021」開催されました

8月30日~9月3日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2021 / Hokkaidoサマー・インスティテュート2021開講科目のひとつ、Social Ecology: Principles of Invasion Ecology 2021/ 社会生態学:侵入生態学原論2021がZoomで開講されました。

本科目の講師は2017年、2018年、2019年(2020年はコロナ禍のため中止しました)から引き続きニュージーランドのLandcare Research (Wildlife Ecology & Management)で最先端の研究をしているAl GLEN先生です。近年、在来種の減少や人間への健康被害等、生態系や人間社会への影響が問題となっている侵略的外来種について、その侵入状況と被害の実態だけではなく、その原因及び対策への理解を深めることを目的として学部生向けに開講された本科目は、今年で4回目を迎えました。

講義では、多くのスライドを利用して侵入生態学についての基礎知識をニュージーランドやオーストラリアの事例のほか日本の事例とともに学びました。

海外招へい講師のアル・グレン先生(ランドケアリサーチ研究所・ニュージーランド)とスライド

コロナ禍の影響で、本科目では海外から講師の先生を招へいすることができず、グレン先生はニュージーランドからオンラインでの講義となりました。ニュージーランドと日本の間には時差があることから、1日3つある講義のうち最後の講義は毎回事前にグレン先生が録画した動画をオンデマンドで視聴する授業方式となりました。オンデマンド講義の内容について分からないことがある学生は、いつでもメールで質問を送ることができ、翌日の講義でも質問できるよう質疑応答の時間が設けられていました。学生が分からない状態でいる時間をなるべく短くすることで、学生の理解が向上するよう、工夫しながら丁寧に対応しました。

5日間にわたる集中講義の中で、毎日その日の講義の最後には理解度を確認するクイズが出題され、クイズの答え合わせと解説は翌日1講義目の最初に行われました。双方向コミュニケーションが教室での授業よりも難しいオンラインでの講義でしたが、その日の講義を反映したクイズ10問を課す小テストを利用した復習を毎日行うことで学生は講義内容をより深く理解することができました。

初めてHSI科目をオンラインで開講しましたが、グレン先生の多大なご協力と責任教員との十分な連携と準備によって教室での講義と遜色ないレベルの授業となりました。学生は通常の授業ではなかなかか機会のない英語での講義を受けることができ、貴重な経験になったようです。

侵入生態学の最前線で実際の対策現場にも携わる世界の第一線で活躍する研究者を招いて英語で行う本科目は、来年度も引き続きアル・グレン先生をお招きして開講される予定です。