〈Hokkaido Summer Institute 2021〉「侵略的外来種管理学総論2021」開催されました

9月6日~10日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2021 / Hokkaidoサマー・インスティテュート2021開講科目のひとつ、Regional Sciences (Lecture) : General Theory of Invasive Alien Species Management 2019 / 地域科学特殊講義:侵略的外来種管理学総論2021が開講されました。が開講されました。

本科目の講師は2017年、2018年、2019年(2020年はコロナ禍のため中止しました)から引き続きニュージーランドのLandcare Research (Wildlife Ecology & Management)で最先端の研究をしているPhil COWAN先生です。カウワン先生が所属するランドケアリサーチ研究所は、ニュージーランド政府が設立した、土壌・生物多様性をテーマとして扱う第1級の研究所です。この研究所で、カウワン先生は長年、特にニュージーランドの外来種管理対策にかかわる研究とその対策の実践に携わってこられました。

海外招へい講師のフィル・カウワン先生(ランドケアリサーチ研究所・ニュージーランド)

本科目は、世界規模で緊急に取り組むべき課題のひとつである侵略的外来種(IAS: Invasive Alien Species)管理について基礎となる知見と技術を学び、同分野では最先端のニュージーランドにおける外来種問題に取り組む枠組みや日本の現状についての知識を修得する機会を得ることを目指した大学院生向けの内容となっています。大学院生向けの開講は今年が3回目です。

コロナ禍の影響で、本科目は海外から講師の先生を招へいすることができず、招へい講師のフィル先生は日本から9,000km以上離れたニュージーランドのご自宅から時差3時間の中、オンラインで講義を担当しました。ニュージーランドの方が日本よりも3時間早いことから、ニュージーランドでは夜の時間帯に開講される講義はフィル先生が事前に作成した音声画像をオンデマンドで視聴する方法で授業が行われました。オンデマンド講義の内容について質問のある学生は、翌日ライブで開講される講義中に質問できるほかメールでも質問ができました。また、フィル先生は授業中に定期的に学生へ質問があれば遠慮なくメールするよう伝え、オンライン講義でも学生が分からない状態のままにならないよう配慮していました。

5日間にわたる集中講義では、ニュージーランドやオーストラリアの事例だけではなく日本を含めた他の国々での多様な事例を豊富な画像や資料とともに学び、質疑応答の時間では講義内容に関する質問だけではなく、海外の学生からは現地に特異な外来種問題について意見を聞くことができました。講義では、Moth MulleinやBoneseedなど”雑草”とされる植物の外来種管理と対応における予測と現実世界との相違や動物福祉についても具体的な事例が図を用いて紹介されました。また、現地のひとに好まれない外来種の駆除が比較的人々の理解が得られやすいのに対し、ペットとして好まれる外来種が野生化して問題になっても駆除については大きな反対があり困難である問題や費用対効果についてなど最先端をいくニュージーランドでも難しいケースについての話もありました。

本科目はオンライン環境や時差の問題でZoomでの同時配信とELMSでのオンデマンドを併用した科目でしたが、フィル先生のご協力のもと、本学池田教授と限られた時間での事前準備にもかかわらず対面での講義と差異のない質を保つことができました。学生は、通常の授業ではなかなかか機会がない海外の学生と意見交換しながら英語で講義を受けることができ、貴重な経験になったようです。

侵略的外来種管理学についての最新の情報と対策施行について研究者から直接学べる本科目は、次年度も引き続きニュージーランドのランドケアリサーチ研究所から講師をお招きして開講する予定です。