5回北大人文学カフェ「哲学者はパラドクスがお好き」開催されました

5月29日(日)、紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第5回人文学カフェが開催されました。今回は、「哲学者はパラドクスがお好き」と題して、話し手の山田友幸さん(文学研究科、哲学講座)が、パラドクスや、懐疑論を話題に、会場の皆さんと対話を通して交流の場をもちました。

当日は、100名をこえる多くの方にご来場いただきました。これまでの人文学カフェとは来場者の顔ぶれが少し異なり、20代の方、理系の学生さんに大勢ご来場いただきました。

立ち見が出るほど大勢の方にお越しいただきました。当日、席がなかった方、後方でスライドの見えづらかった方、マイク音が聞き取りづらかった方には申し訳ありませんでした。

第1部は、話し手のトークを中心に進行しました。まず、「哲学者というのは賢者ではなく、知恵を愛する人である」という話題から始まり、山田さんからなぜ哲学者がパラドクス問題に惹かれるのかという解説がありました。次に、さまざまなパラドクスの例があげられ、パラドクスに潜む矛盾やその解決方法について、会場の皆さんにも一緒に考えていただきました。さらに、「見過ごしがちな隠れた大事な問題」「ものの見方の欠陥」をキーワードに、パラドクスから何がわかるのか、何の役に立つのかについて山田さんからのメッセージがありました。

会場の皆さんに語りかけながら、会場全体をパラドクスの世界にいざなう山田さん

今回のカフェでは、主に4つのパラドクスが例として取り上げられました。会場の皆さんに、どのパラドクスがおもしろかったか、アンケートに答えていただきました。以下、その結果をお知らせします。(回答総数:61名)

あなたは、どのパラドクスがもっともおもしろかったですか。

  • 嘘つきのパラドクス    10名
  • 砂山のパラドクス     16名
  • 床屋のパラドクス       5名
  • マトリクスのパラドクス  25名
  • その他            5名

第2部は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、山田さんが回答していく対話コーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただきました。これをテーマごとにご紹介し、山田さんが回答していきました。

たくさん寄せられた質問カードに真剣に目を通す山田さん

会場からは、パラドクスの解決に対する提案や、広く哲学全般にわたるものものまで、多くの質問が寄せられました。

最後に、哲学そのものの魅力と、北海道で、また文学研究科で哲学を研究する意義やメリットについて語っていただき、カフェのまとめとしました。

この人文学カフェのようすは近日中に北海道大学のオープンコースウェアにて公開される予定です。