6回北大人文学カフェ「その言い方が人を怒らせる」開催されました

9月10日(土)、紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて、第6回北大人文学カフェが開催されました。今回は、「その言い方が人を怒らせる」と題して、話し手の加藤重広さん(文学研究科、言語情報学講座)が、ことばが原因で起こるさまざまなコミュニケーションの問題について、会場の皆さんと語り合いました。

当日は、200名を超える多くの方にご来場いただきました。早々に席が埋まってしまい、たくさんの方が立ち見となってしまいました。後方でスライドが見えづらかった方、音声が聞き取りづらかった方、スペースに余裕がなく窮屈な思いをされた参加者の皆さまには、大変申し訳ありませんでした。

第1部は、話し手のトークを中心に進行しました。まず、「気に障る言い方」について、なぜ話し手はそのような言い方をするのか、なぜ聞き手はその言い方が気に障るのか、話し手と聞き手のずれについて解説がありました。次に、最近話題になった気に障る言い方の実例を検証し、日本語が気にすること、こだわりについて分析が行われました。さらに、加藤さんの専門である文脈の科学としての語用論について紹介がありました。

豊富な実例とソフトな語り口の加藤さん。決して「人を怒らせる」ムードではなく、終始なごやかな雰囲気でした

会場の皆さんにも直接、または挙手により意見をいただき、ご参加いただきました

第2部は、会場の皆さんから寄せられた質問に対して、加藤さんが回答していく対話コーナーでした。会場からの質問は、あらかじめ配付された質問カードに書いていただきました。これをテーマごとにご紹介し、加藤さんが回答していきました。

寄せられた質問は、「気に障る言い方の実例」「言語学、語用論に関するもの」「加藤さんの研究スタイル」など多岐にわたりました。中でも、気に障る言い方の実例は数多く寄せられ、加藤さんが語用論を用いて、それぞれの質問に対してあざやかに解説していきました。

話し手に直接質問して、コミュニケーションすることもできます
「『一応○○大学出身です』という言い方の『一応』って何ですか?」加藤さんの名回答に会場は笑いに包まれました

最後に、言語学、ことばを研究する魅力と、北海道で、また文学研究科で言語学を研究する意義やメリットについて語っていただき、カフェのまとめとしました。

この人文学カフェのようすは近日中に北海道大学のオープンコースウェアにて公開される予定です。