トロント大学との協働授業が実施されました

10月14日から10月19日の6日間、トロント大学と本研究院の協働授業が実施されました。この授業は、昨年度に引き続きHokkaido サマー・インスティテュート2019サテライトスクール事業として、トロント大学ミシサガ校の学生と本学の学生が北海道で共修する授業です。授業のテーマは、「日本における植物、民族、先住性」で、講義とフィールドワークを組み合わせたプログラムとなっています。

トロント大学からは人類学部のGary Crawford教授と8名の学生が参加しました。本学からは、文学研究院の高瀬克範准教授(考古学研究室)とメディア・コミュニケーション研究院のジェフリー・ゲーマン教授および4名の学生が参加しました。講義、実習を通して、両校の相互交流がおこなわれ、とても充実した内容のプログラムが展開されました。

1日目はJR札幌駅構内にあるアイヌ展示の見学から始まり、北海道大学植物園や道庁赤レンガ、札幌市埋蔵文化財センターの見学をおこないました。

2日目は借上げバスに乗り、二風谷ダム、ダム資料館、マンロー邸、二風谷アイヌ文化博物館、沙流川歴史資料館、萱野茂二風谷アイヌ資料館、北の工房つとむを見学しました。

3日目もバスで札幌アイヌ文化交流センターピリカコタン、江別市郷土資料館および江別市の北海道埋蔵文化財センターを訪れました。

4日目は、北海道大学内でアイヌの歴史・文化に関する講義と討論を行いました。トロント大学クロフォード教授による「古民族植物学からみたアイヌの起源」と本学のゲーマン教授による「現在のアイヌ文化伝承の課題と展望について」の講義に続き、紋別アイヌ協会会長の畠山 敏氏をゲストスピーカーにお迎えして、アイヌの現状に関する講演を実施しました。

畠山 敏氏の講義のようす

5日目は、苫小牧市博物館を見学した後、千歳市のキウス環状周堤墓や埋蔵文化センターに続き、恵庭市郷土資料館を訪れました。

最終日の6日目は、余市町の余市水産博物館やフゴッペ洞窟の後、西崎山環状列石、小樽市の忍路環状列石や小樽市総合博物館を見学しました。

トロント大学との協働授業は2020年度も継続し、2020年10月に北海道でHSI2020開講科目として実施する予定です。また,2020年2月にはカナダ・トロント大学に北大生を派遣して海外ラーニング・サテライト授業を実施する予定です。両校の双方向交流の発展が期待されます。