〈Hokkaido Summer Institute 2019〉「侵略的外来種管理学総論2019」/ General Theory of Invasive Alien Species Management 2019 開講されました

8月5日~9日の5日間、Hokkaido Summer Institute 2019 / Hokkaidoサマー・インスティテュート2019開講科目のひとつ、General Theory of Invasive Alien Species Management 2019 / 侵略的外来種管理学総論2019が開講されました。

本科目のメイン講師は、2017年、2018年から引き続きニュージーランドのLandcare Research (Wildlife Ecology & Management)からお招きしたPhil COWAN先生です。

本科目は、世界規模で緊急に取り組むべき課題のひとつである侵略的外来種(IAS: Invasive Alien Species)管理について基礎となる知見と技術を学び、同分野では最先端のニュージーランドにおける外来種問題に取り組む枠組みや日本の現状についての知識を修得する機会を得ることを目指した大学院生向けの内容となっています。大学院生向けの開講は今年が2回目です。

海外招へい講師のフィル・カウワン先生(ランドケアリサーチ研究所・ニュージーランド)

カウワン先生が所属するランドケアリサーチ研究所は、ニュージーランド政府が設立した、土壌・生物多様性をテーマとして扱う第1級の研究所です。この研究所で、カウワン先生は長年、特にニュージーランドの外来種管理対策にかかわる研究とその対策の実践に携わってこられました。

講義では、具体的で分かりやすいスライドを使いながらカウワン先生がニュージーランドの状況を説明する一方、科目責任教員の池田透先生(文学研究院・地域科学研究室)が日本の現状を説明することで海外の最先端事例と日本の問題について効果的に学ぶことができました。

詳細なスライドを用いて講義が行われます
講義を熱心に聞き入る受講生

講義では、1コマごと休み時間に入る前に講義内容に関して意見や質問を出し合います。その際、講義と同じように受講生からの質問に対してカウワン先生がニュージーランドにおける状況を説明し、池田先生が日本の状況と比較しながら説明をします。

侵略的外来種管理の施行については、先進国であるニュージーランドにおいても自治体によっては費用対効果の小さい事例として、目的やOutcomeの設定が間違っていたり資金的にも人的にもリソースに限りがある中、長期的に行うことの難しさについての説明がありました。

最終日5日目の最後の講義は筆記試験で、集中講義で得た知識をアウトプットします。

    

制限時間ぎりぎりまで試験解答を練る受講生

侵略的外来種管理学についての最新の情報と対策施行について研究者から直接学べる本科目は、次年度も引き続きフィル・カウワン先生をお招きして開講する予定です。