熱心な教員たちに見守られて行動する自分に大きく成長。

PROFILE

卒業論文は「他者存在が負の情動処理に与える影響-事象関連脳電位による検討-」。大学院で引き続き、切り口を深めていった。

人間システム科学専攻 行動システム科学専修 修士課程2年 (所属は2018年度以前の組織のものです)
式部 真奈 (SHIKIBU Mana)

1992年北海道江別市生まれ。北海道大学文学部卒業後、
大学院文学研究科に進学。
研究のかたわら、通信教育で司書資格を取得。

 

被験者の“本音”である脳波を測定する最先端の実験研究に惹かれて、大学院進学を決意。
他者の存在と負の情動の関係を脳波測定から明らかにしようとしています。

行動心理学を入口に脳波測定の実験に挑戦

道産子の私にとって北大はやはり一番身近にあった憧れの大学。総合入試文系で受験し、当初は法学部志望でしたが、学部1年の履修コースガイダンスで聞いた結城雅樹先生の行動心理学の授業が面白くて、一気に気持ちが文学部に傾きました。
大学院進学の決め手となった脳波測定の実験に出合ったのは、学部3年のことです。行動システム科学講座(2019年4月より行動科学講座)の教員の方々が中核メンバーとなっている北大社会科学実験研究センター※の存在を知り、そのなかでも村田明日香先生が進めている情動と脳波測定の研究を見て、「自分もやってみたい」と思うようになりました。高校まで理系科目が好きだったこともあり、実験装置の操作やデータ分析をする研究内容が自分に向いていたのだと思います。
※北海道大学社会科学実験研究センター
先端的な社会科学実験を展開するための日本で唯一の専門機関。
https://lynx.let.hokudai.ac.jp/cerss/

もうひとりの存在が被験者にどう影響するか

学部生のときから取り組んでいる研究テーマは、自分のマイナス思考をどうにかしたいという等身大の悩みから始まりました。落ち込んだとき、友達がいてくれたら気持ちが上向きますし、恐いホラー映画も誰かと一緒なら楽しめる。そこで実験では、初対面の人間(私)がそばにいる状態で、「イヤな気持ちを生み出す写真」にときおりニュートラルな気持ちに戻す写真を交ぜながら120枚の写真を被験者に見てもらいながら同時に脳波を測定します。
学内で脳波測定ができる最先端の実験環境も研究の進捗を助けてくれましたが、なにより研究室や所属の枠を超えて指導してくださる熱心な先生方がいることが、最高の研究環境だったと思います。行動システム科学専修に進んで大正解でした。

卒論執筆中に進学を決意。過去問とレジュメを見直し

学部4年2月の後期入試で入った式部さん。前期入試のときは進学志望ではなかったのですか?

当時は、しばらく就活をしたのですが疲れてしまい、いったん卒業論文に集中することに。書いているうちに「もっと深めたい」と思って、進学に方向転換しました。大学院は優れた一部の学生が行く別世界のように感じていましたが、村田先生から「研究に向いているよ」と言われたことにも勇気づけられました。
試験対策は5年間の過去問チェックと授業のレジュメを見直し、面接は先輩から「本人はもうダメだと落ち込んでも、案外大丈夫なものだよ」と、言われたとおりになりました。なのでこれから受験する皆さんも大丈夫、まずはチャレンジあるのみです。